【お菓子のおはなし #15】<冬の旬菓(しゅんか)>ユーハイムシュトレン
ユーハイムのお菓子づくりは 「< /0(スラッシュゼロ)>のお菓子をつくる」こと。
お店や、商品で伝えきれないお菓子の熱い思いをこちらでご紹介します。
■ユーハイムの<旬菓>(しゅんか)
ユーハイムでは、めぐる季節をお菓子で表現できないかと考え、一連のシリーズを「旬菓(しゅんか)」と名付け、販売しています。
旬菓とは、歳時記を読むように、食べることで移ろう日々を感じ毎日を祝う、歓びのお菓子です。
冬の旬菓は、ドイツのクリスマス菓子を代表する「ユーハイム シュトレン」。
■ドイツの伝統菓子Stollen
"シュトーレン"という発音ですっかり知れわたっている"Stollen"ですが、"シュトレン"のほうがドイツ語の発音により近くなります。
多くのドイツ人にとってクリスマスは1年で最も重要な祝日。
この日のために、クリスマスイブまでの約4週間(=アドヴェント:今年は12/3~12/24)はクリスマスツリーを飾ったり、家族や友人へのプレゼントの準備などをします。
アドヴェントにはクリスマスマーケットも開かれ、町はお祭り騒ぎ。
そんな時期の午後のおやつの時間、家族が集まって食べるお菓子がシュトレンなのです。
■ユーハイムの冬支度
シュトレンと言われるとパサついている印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
ユーハイム シュトレンの特徴は、なんといってもたくさんの漬け込みフルーツとしっとりとした柔らかな生地の食感。
●夏の下準備~漬け込みフルーツ~
お菓子屋さんにとって大切なイベントであるクリスマスを迎えるために、シュトレンの準備は夏の終わりからはじまります。
まずはフルーツの漬け込みから。
食感の賑やかさと味の深さを出すために、サルタナレーズンとカリフォルニアレーズンの2種類を使用します。
洋酒に漬け込む前に、さっと湯がいて表面の油分を洗い流します。
このひと手間によって、洋酒が馴染みやすく、ふっくらとしたレーズンになるのです。
このレーズンたちを、品格ある芳香を感じる柔らかく奥深い風味「V.S.O.Pのラム酒」に漬け込みます。
また、オレンジとレモンのコンフィチュール、ローストアーモンドは「キルシュワッサー(さくらんぼの蒸留酒)」に漬け込み、爽やかさを演出します。
ユーハイムの漬け込みフルーツは、素材をひとまとめにせず、フルーツによって相性の良い洋酒を見極めて別々に漬け込んでいるのです。
こうして別々に漬け込まれたフルーツたちを、しばらく静かにお休みさせます。
ときどき様子を見に行って、洋酒が均等に染み込むように上下を回転させるのです。
●秋の焼成~"しっとり"な生地~
季節が変わり、秋にいよいよシュトレンを焼きます。
ここで、生地をしっとりさせるためのいくつかの工夫をご紹介。
小麦粉は独自にブレンドしたものを使用し、ハチミツやマジパンを数%単位で加えることで、重厚感を保ちつつ、"しっとり"をつくり出しているのです。
そして生地とフルーツの割合がほとんど1:1であるのも、"しっとり"のポイント。
じっくり漬け込まれたフルーツをふんだんに入れて、全体的に柔らかい生地にします。
こうしてあえて柔らかく仕込んだ生地は、そのままオーブンに入れてもあの独特な形を保ってくれません。
そこでユーハイムでは専用の型を使います。
型を使用することで、必要以上に水分を逃さず、生地をパサつきから守ってくれるのです。
●冬の仕上げ~金色の澄ましバター~
ようやく生地が焼きあがりました。
これで準備完了……と言いたいところですが、もうひと手間。
焼きあがったシュトレンを優しく澄ましバターに浸します。
バターを溶かすと水分を含むタンパク質などが沈殿します。澄ましバターとは、その上澄みだけをすくい取った贅沢な金色のバターのことです。
このひと手間で贅沢なバターが香り、より"しっとり"と仕上げることができるのです。
最後にシナモンシュガーをまとわせて、ユーハイムシュトレンの完成です!
さあさあ、もうすぐクリスマスがやってきます。
みなさんもこだわりのユーハイムシュトレンを味わいながら、クリスマスまでの日々を楽しんでくださいね。
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