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いま改めて桂離宮を読む

写真家「石元泰博」の『桂離宮』という写真集、この写真集は精緻で静かな写真の連なりだが、それとは裏腹に僕にとってはまさに衝撃そのものだった。
ニュー・バウハウス仕込みの視点で桂離宮を撮るとこうなる、というような写真集でこの視点は自身にはとうてい持ち得なかったこともあり、目から鱗が落ちる思いで見ていたように記憶している。
当時カメラ機材と戯れていた僕が、機材から出てきた写真という捉え方から写真を写真として直視した……大げさに云うと原点と考えている写真集だ。

この写真集について今はプレミアム価格でしか手に入らないこともあり、読みたくなったら図書館からその都度借りている状況になっている。
本当は家においていつでも見られるようにしたいので、判型はこのままで再販してほしい。(普及版じゃなく大きい方)

和室の写真も圧巻だが、石畳や飛び石などの写真が個人的には大好きでずっと見ていられるし、定期的に見直したくなる写真集だ。
気になる方は図書館で探してみて欲しい。
個人的に石元泰博の写真集は『桂離宮』と『色とかたち』が好きだ。

写真集の記述によると最初の桂は大判カメラのリンホフ(4×5)に90mm/120mm/150mm/210mmを使用して撮影されたようで、アスペクト比こそ異なるもののライカ判の画角的には標準ズームの枠内(25mm-59mm)に収まっている。
実際は色々と異なるが画角的にはK-3mklllにDA★16-50PLMを付ければ楽しいことができそうだ……。

なお、後年には改めてジナーSにTri-Xを詰めて撮影したとの記述があるがレンズ焦点距離は不明。


現状定価で手に入る本だと、これくらいしか見当たらない。
内容的には網羅的(桂離宮の写真も当然何枚かある)だし、テキストも良い。

写真集というよりは図録で資料集である。周りとも何度か話しているが写真の印刷の質そのものは良いと感じる。

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