「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」読後感想
私のとある友人は村上春樹に激怒した。
「なぜいつも終わりがはっきりしないのか!?」
村上春樹と言えば人々が中学高校の頃に一度はあこがれて通る道ではないだろうか。
かく言う私も激怒した友人もその道を通った一人で、彼女の場合は物語のはっきりしない終わり方に納得いかず本を地面にたたきつけたそうだ。
彼女のような批判意見も時々見受けられる中、私はどうも彼の作品が気に入っている。
それは“作者が物語を考えている”という感じがしないからだ。
村上春樹の小説の場合は“既に存在し