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第二期中期経営計画を発表しました

8月27日に、ジェイテクトは第二期中期経営計画を発表いたしました。
昨今、私たちを取り巻く外部環境や産業構造が大きく変化しています。その中でも、ジェイテクトが社会に貢献し、持続的な成長を遂げるために、この3か年で取り組むべき基本戦略を具体化しました。
ジェイテクトは誕生して18年。人で言えば成人になりました。大人としていかに社会貢献をしていくかという大きな転換期を迎えたということです。成人したジェイテクトが今後どこに向かっていくのか、何を実現していくのかという将来展望についても、中期経営計画に加えて紹介させていただきたいと思います。


第一期中期経営計画の振り返り

第二期中計を皆さんに紹介する前に、まずは2021年度から2023年度までの第一期中期経営計画期間でのジェイテクトの歩みを振り返ります。
この3年間は「体質強化の3年」と位置付け、「人づくり、仕組みづくり」「経営基盤強化」「競争力強化」「将来への種まき」をキーワードとした取り組みに力を注ぎました。

第一期中計の重点取り組みとして掲げた「人づくり、仕組みづくり」の第一歩としてブランド統一を行いました。事業ブランドを「JTEKT」に統一し、国内外グループ会社には「ジェイテクト」を冠する社名への変更を推進することで、真の「One JTEKT」への下地を整えました。
「経営基盤強化」では、国内外グループ会社の統廃合を行い、この3年間で152社から119社に削減し、経営効率化とグループガバナンス強化に取り組みました。
「競争力強化」では、生産技術革新による競争力の高い電動パワーステアリングの開発や、グループ一体となったクロスセールス活動に取り組みました。
「将来への種まき」では、電気自動車の電動ユニット「eAxle」の小型軽量化に貢献するデフ、ベアリング、シールを開発。他にもハンドルとタイヤを電気信号でつなぐステアバイワイヤシステム「J-EPICS®」を開発し、自動運転社会への貢献を目指しています。
ジェイテクトグループが永続的に成長するために、新規事業の創出や社会課題を解決する新領域の開拓に今後も挑戦してまいります。

しかしながら数値面では、急激なインフレや中国市場の低迷など想定外の市場環境変化もあり、事業利益1,000億円の目標に対し、結果は728億円で未達成。ステークホルダーの皆さまのご期待にお応えすることができませんでした。第二期中計では効率性を常に意識して事業利益にこだわり、目標を達成したいと思います。

JTEKT Group 2030 Visionの策定
~ソリューションプロバイダーへの変革~

私はトヨタ時代、36年にわたりジェイテクトと一緒に仕事をしてきた経験から、ジェイテクトは非常に多くの要素技術や知見、すなわち「コンピタンス」を持っている会社だと感じていました。一方で、社内外の身近な人に、「ジェイテクトってどんな会社?」と聞いたら千差万別さまざまな答えが返ってきたのです。
本来、会社というのは社内外のすべての人に同じイメージを持ってもらうことが大事なのではないかと思っており、それならば、将来ジェイテクトをこんな姿にしたいという思いも込めてJTEKT Group 2030 Visionを策定しました。

私たちジェイテクトグループには、自らが保有する数多くのコンピタンスを組み合わせることで、お客様のニーズや思いをかなえるソリューションを提供できるポテンシャルがあります。
クルマから新たなモビリティ、そして社会システムへと対象領域が拡大しつつある次世代のモビリティ産業に貢献するためには、コンピタンスをアップデートし続けることが重要です。そうすることで、安心・安全かつサステナビリティの実現につながる、新たなソリューションを提供することが可能となります。
そうした意味が、このソリューションプロバイダーという言葉に込められています。この言葉は、私たちジェイテクトグループにとって大きなパラダイムチェンジだと思っています。もし学校の授業で例えるなら、「この言葉、試験に出ますよ」というほど、大変重要なキーワードです。

ソリセンとテクプラでソリューション型ビジネスへの転換を図る

これまでのジェイテクトは、祖業に紐づくコンピタンスがそれぞれの事業にぶら下がっている状態でした。今後は、事業の壁を取り払うことですべてのコンピタンスを一つのプラットフォーム、テクノロジープラットフォーム略してテクプラに格納していきます。

このテクプラにあるさまざまなコンピタンスを組み合わせることで、既存製品の付加価値を高めたり、モビリティ社会の拡張や社会システム化にも対応するOnly Oneソリューションを生み出したりすることを考えています。
このテクプラを機能させるために、「ソリューション共創センター」の新設を計画しています。略してソリセンは、全社が活用する組織として、社内の困りごとやお客様の困りごと、社会のニーズを能動的に吸い上げ、テクプラに揃ったジェイテクトのコンピタンスを融合させ最適なソリューションを提供することを目指しています。

これまではお客様からの要請に対し製品を提供するという受動型ビジネスを行ってきましたが、今後は社会やエンドユーザーのニーズを知り、お客様と議論し共創することで、適切なビジネスモデルでソリューションを提供するソリューション型ビジネスへの転換を推進していきます。

JTEKT Group 2030 Visionで目指している姿を象徴的に表現すると、「ソリセンによってテクプラに揃ったコンピタンスを融合させ、新たなソリューションを提供する」となります。大言壮語と思われている方もいるかもしれません。しかし、ジェイテクトの社名の由来は下記の図の通りです。

Tektonとは古代ギリシャ語で卓越した技術を意味します。JOINTとTekton、ジェイテクトは合併し誕生した時から、技術をつなぐことを大切にしてきたのです。技術をつなぐ「JOINT Technology」で、多様なお客様や社会のお困りごとを解決する。すなわち、『すべての答えはジェイテクトの中にある』。そのようにお客さまに言っていただけるようなソリューションプロバイダーを目指していきます。

2030年に向けた数値目標

第二期中計および2030 Visionの数値目標は下記図表のとおりです。ROEやPBR、事業利益率といった収益性や効率性にこだわった財務目標に加え、eNPS(Employee Net Promoter Score)やCO2削減といった人や地球環境に目を向けた非財務の目標値も設定しています。ソリューションプロバイダーに変革していくためには、従業員エンゲージメントが大切であると考えています。そのためeNPSを非財務指標の中でも重点事項として挙げています。
「決算書は企業の通信簿」とよく言われますが、今回設定した数値目標についても、ジェイテクトに対する社会からの通信簿として捉えていきます。ジェイテクトグループだからこそ生み出せるソリューションを提供することで、社会やステークホルダーの皆さまのご期待にお応えし、これら数値目標を達成したいと考えています。

次回予告

第二期中計の3か年は、「既存事業の成長と新規事業の育成」と位置づけました。
次回は、第二期中計における各事業の戦略と、組織力を高める新たな仕掛けについてもう少し掘り下げたいと思います。

第二期中期経営計画の詳細はこちらからご覧いただけます。


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