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「おすすめヘッドセットリスト」を作った、リモート会議の音質にこだわるマニアに、こだわりのない人が理由を聞いてみた話

おすすめヘッドセットリストを作った、音にこだわるマニアに理由を聞いてみました。ヘッドセットリストも紹介します!

リモート会議にスムーズに入れなかった私

こんにちは、ジェイテックジャパンの寺尾です。
私はリモート会議のたびに、広瀬から「寺尾さん、マイクは大丈夫ですか? 声が聞き取りにくいですね~」と言われても、ヘッドセットや音質には関心のない人でした。相手の声は聞き取れているので問題ないかな、と思っていました。

そう思っていた今年の3月半ば、別記事でご紹介した「office improvement」(仕事環境改善)キャンペーンの終了が近づいている頃のことです。

CTO高丘から、「希望者は推奨ヘッドセットを購入できる」と言う連絡がありました。そこで「声が聞き取りにくい」と言われていること思い出しました。また、リモート会議のたびに声を張ったり、接続を確認したりとリモート会議にスムーズに入っていけていない自分に気づいていました。ヘッドセットは自分ではなかなか購入しないモノでもあり、早速購入することにしました。

アートボード – 5

気になって聞いてみました

購入して以来、「おすすめヘッドリスト」のことが気になっていました。なぜ作成され社内に公開されたのか、興味が出てきました。7つのアイテムがリストアップされた理由も気になっていましたので、おすすめヘッドセットリストを作成した、音にこだわるマニアなCTO高丘に聞いてみることにしました! (話を聞いてマニア具合がよく分かりました)

                ◇◇
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よろしくお願いします! まず、推奨ヘッドセットリストを作成するきっかけになった事を教えてください。


▲高丘
先行したoffice improvementキャンペーンで、ヘッドセットを購入した方がいたことが、リスト作成を考えるきっかけになりました。

また社内でSlackをリモート会議に使用していましたが、Slackがリモート会議中に落ちてしまう、音が聞こえなくなる事がよく起きていたことも気になっていました。もともと声が小さい方もいらっしゃいます。

それで、今後新型コロナ感染症の影響でリモートワークが増えることになるので、メンバーが使っているヘッドセットのレベルを上げたほうが良いのではと思うようになりました。

あと、よく聞いているPodcast(backspace.fm)でリモートワークのクオリティが取り上げられていて、自分の中での意識も高まっていたので、メンバーの意識も高められればと思ったこともきっかけの一つです。
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Slackのリモート会議での音質に問題を感じていたんですね。
そうしたことを踏まえて、リストを作るにあたり考えたこと、基準にしたことを教えてもらえますか。

▲高丘
ZoomやWebex に比べると、Slackの音声通話機能は弱いと思います。特にUSB接続でのマイクを使用した時に、オーディオインターフェースの選択に失敗して通話が難しくなることやアプリの再起動が必要なことがよくありました。

また、ワイヤレス(Bluetooth)ヘッドセットの場合は、マイクの帯域がスピーカーの帯域に比べて低くマイクの音質に影響が出てしまいます。

それで、音質が悪くなることを回避するために、3.5mmのピンジャックマイク付きであることを条件にしました。

私自身、ソニーのワイヤレスヘッドホン(ソニー WH1000XM3)を使っていましたが、声が聞こえにくいと言われていました。このヘッドホンは有線で使うこともできます。それで、付属のピンジャックを使ったら、音質が改善したんですよね。

また、マイクを使う時は何より位置がポイントです。マイクが口の前にないと音質が明らかに悪くなるので、内蔵マイクではなく、マイクが口の前に来るタイプも条件にしました。

現在わたしが使用しているヘッドセット(Razer Kraken for Console ゲーミング ヘッドセット )はマイク付きで、明らかに音質が良くなりました。このタイプをみんなが使えれば、リモート会議の音質が良くなるのではないかと思いました。
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ここまでの話を聞いて、自分のことをあらためて考えてみると、ヘッドホンやヘッドセットを選ぶとき、まず自分が「聴く」ことを考えるので、相手に「聴かせる」マイクの音質のことはあまり考えていなかったですね。

▲高丘
その点は軽視されがちなのかもしれないですね。
私の場合でも、結局3万円近い価格のワイヤレスヘッドセット内蔵マイクより、iPhone付属のEar Podsのマイクのほうが音質が良かったですからね。

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では、推奨リストとしては、内蔵マイクが付いていて、高価なヘッドセットであれば何でも良い! と言うことではなかったんですね。


▲高丘
そうなんです。また、普段自分用であっても、マイク付きのものをわざわざ購入する人はいないだろうなと思って、あえてリストにしました。

デザインに好みが分かれることも考えて種類を増やしました。みんなが同じヘッドセットをしているのもちょっと滑稽ですよね。

価格帯は1万円~1万5千、ピンジャック付き、マイクが口の前に出せる、で検索したものをリストにしました。

リモートワーク中心であれば、持ち運ぶことはないので、ヘッドセットで良いのではないかと思いました。これから暑くなるとヘッドセットでは耳回りが熱くなりますが、部屋の温度を管理して暑さ対策をすれば使えると思います。

結果的にゲーミングヘッドセットを多くリストアップしましたが、ゲーミングデバイスは、チームプレー中に聞き間違いが起こらないようにするためにマイクを重視していますので、ビジネス用にも十分使えると思います。

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リスト公開後の反応や、その後のリモート会議はいかがですか?


▲高丘
春に開かれた社内の全体リモート会議で、ほぼ全員がスムーズに会議に接続され、音が切れることもありませんでした。チーム内のミーティングも円滑のようです。

みんなの音が安定して良いことで、それだけでも数時間はトクをしているのではないかと思っています。

リモートワークでは、顔を見たほうがコミュニケーションを取りやすい場合もありますが、音質が良ければ顔が見えなくても大きな問題は起きないと思っています。

メンバーには家族のいる人もいるので、カメラオンにすることを強制するつもりはなく、プライバシーは尊重したいと思っているので、やはり音質については気にしたいと思います。

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リモート会議での音質はかなり気になるところだと思います。特に大事な決め事の部分はハッキリ聞こえたほうが良いですよね。


▲高丘
リモート会議やリモートでの会話に与える、音質の影響は大きいと思います。

私はアメリカに住んでいることもあり、英語でコミュニケーションをとりますが、音が悪いと相手の話す内容が分からなくなることがあります。

日本語でも、相手の話すことを理解するのに予測に頼る場合もありますよね。また、話す内容を把握するためにいろいろなことを考えると思います。

リモートで会話するときには、音の良し悪しに注意を向けるより、話の内容や、自分が何をするべきか、起きている問題について何でそうなったのかを、考えながら聞く余裕を残したいですよね。

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たしかに、音質が良ければ、自然と会話や会議の内容に集中して入り込めますね。


▲高丘
そうなんです。音質が良ければ、実際に会って話すのと同じぐらいの状況を作れますよね。

お互いを知らない場合は、カメラオンで話しあうことが大事だと思っていますが。メンバー内であれば、お互いの声のニュアンスを聞き取れる音質の良さが重要かなと思います。

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推奨リストを作ったきっかけ、ヘッドセットがなぜ選ばれたのか、良く分かりました! 日頃、社内のリモート会議を気持ち良くするために考えていることも話してくださり、ありがとうございました!

                ◇◇

「相手の声のニュアンスを聞き取れる音質が大事」だなんて…そこまでリモート会議の音質を考えていたとは知りませんでした。聞き取りやすい音質で、お互いに伝えたいメッセージをやりとりできたら、リモート会議に気持ちよく入れますよね。おすすめヘッドセットリストを作成した話を実際に聞いてみて、リモートワークで協働するために音質の良さも欠かせないことが分かりました。

それでは、リモート会議の音質にこだわりたい皆さんに、おすすめのヘッドセットリストと、使用レポートをご紹介します。

おすすめヘッドセットリスト

1.Sennheiser SC 165

選考理由 
安定のゼンハイザー。マイクは安定しているが、耳あてが小さいため、耳が完全に覆われない、音があまり良くないかもしれない(USBなしモデルでもオーケー)
使用レポート
以前は300円のイヤホンを使っていたので、比較は意味が無いですね。軽量で持ち運びもしやすいと思います。つけていてもほぼ違和感が無いです。マイク部分が収納出来るので便利です。 音質が良くなったと言われました。自分に聞こえてくる音の音質が良くなり過ぎて気持ちが悪さがあります。
長時間つけていると耳は幾らか痛くなります。オプションが無い分コードが短いのが少し気になります。

2.Razer Kraken for Console

選考理由
ゲーミング用ですが、黒で落ち着いたデザイン、ただ、サイズが大きくて持ち運びは大変かもしれません。マイクが使用しない時は本体内に格納できるのがいいです。高丘が使用していますが耳を完全に覆うので、疲れにくいですし、音質も安定していて気に入っています。
使用レポート
接続すればすぐに使えるし、ミーティングでの声もきれいに入っているとのことでした。マイクを使わない時には、ヘッドセット内に収納可能です。このアイテムの問題としては、ちょっとでかくて持ち運びは難しそう。

3.audio-technica ATH-PG1

選考理由 
ゲーミング用ですが落ち着いたデザイン
使用レポート 
購入者1名

4.Logicool G G433

選考理由 
大きいけど、キャリーケースもついている。
使用レポート1 
iphone付属イヤホンを使用していましたが、打合せ時のマイク音質と聞き取りに困ることがありました。他のヘッドセットを使った事がなかったので比較はできませんが、軽量なので長時間装着しても不自由ないです。
イヤーパッド(スペア有)がメッシュなので、蒸れや不快感はそれほど感じません。仕事中は眼鏡を使っていますが、それほど違和感ありません。ブームマイクが取り外し可能なので、外した時になくさないように気をつけたいと思います。フラット収納できるので、思ったほどかさ張りませんでした。バッグに入れて持ち歩きできると思います。
音質良好で、打合せ音声もしっかり聞こえるので、声を張る必要がなくなりました。(マイクの向きが口から少し外れていたときに、音が遠いと感想がありました)
使用レポート2
音がよく聞こえるのと同時に、先方に外野の音が入りにくくなったと思いますので、良い買い物でした。
使用レポート3 
ほとんど同じ感想です。加えるなら、外したマイクをコードにくっつけておけるので失くしにくく、いい感じです。私はPCに刺す側にくっつけています

5.Steelseries ARCTIS 3

選考理由
落ち着いたデザイン、マイク収納型
使用レポート 
使用感として密閉型であるため2時間を超えるとつけているのが疲れてきます。ヘッドフォンとしての性能は若干音質がこもり気味ですが、エフェクトでごまかせるレベルでした。マイクもちょうどよい距離にすれば、十分な音量と明瞭度になったと思います。良い点はマイク部分が収納できる点です。といってもそれなりのサイズなので、持ち歩くことは考えられません。

6.MPOW MPPA071AB USB Headset

選考理由 
なし
使用レポート 
耳当て部のクッション性がよく長時間付けていても痛くなりにくい作りになっています。これまで使っていたものよりも断然密着性がよく密閉型ではないのですが、心地よい没入感を味わえそうです。(音楽などを聴く訳ではありませんけど)かといって、外界の音が遮断されることはないので、自分にとってはちょうどよい感じです。
耳当て部が90度回転してでっぱりがなくなるようになっており、デスクサイドにぶら下げておくにも収まりがよさそうです。またコード途中にボリューム調整とマイクのON/OFFがあるのも操作性の面でよいと思います。

7.Vtin PA081A

選考理由 
コールセンター用で落ち着いたデザインで良さそう。
購入者なし
※2020年7月当時、価格が高くなっていました。

番外編

ヘッドセットよりイヤホンタイプが良い! と言う方もいらっしゃると思います。メンバーの中にも、イヤホン(AirPods圧倒的多数)、他のヘッドホンを使っている人もいます。そのアイテムの使用レポートを番外編としてご紹介します。

1.SONY h.ear on 2(MDR-H600A)

使用レポート
密閉型・オーバーイヤーのヘッドホンになります。使ってみた印象ですが、元々リスニング用なので低域が強く、音の凹凸がはっきりしている印象です。イヤーパッドは素晴らしく、長時間使用しても疲れません。
相手の声もはっきり聞こえますし、相手側もよく聞こえるとのことでマイク性能も問題なさそうです。ただし、密閉型なので自分の声が聞こえにくいという問題があります。Windowsのマイク設定で自分の声を返すことができますが遅延があるので逆に聞きづらいです。
ということで、密閉型のヘッドホン(ヘッドセット)の購入をお考えの方は
「サイドトーン」機能の付いた製品をお勧めします。ゲーミングヘッドホンなどにはこの機能がついているらしく、遅延なく自分の声が聞こえるようです。

2.BOSE QuietComfort® 20 Acoustic Noise Cancelling® headphones

使用レポート
無線の気軽さはないのですが有線イヤホンとしては優秀です。マイクも特に問題を感じません。
ノイズキャンセリング使用時とそうでないときは音質が結構変わり、オフの時の音質はあまりよくない印象です。ノイズキャンセリング特有の圧迫感を心配していましたが、慣れれば気にならない程度でした。ノイズキャンセリングするとキーボードも静音され集中したい時などいい感じです。
長時間使用時には耳が圧迫されて痛くなったので、Sサイズのシリコンキャップに変更しました。

3.Apple AirPods Pro

使用レポート
耳への負担も無くとても快適です。
一月程使った時点でイヤーチップ装着状態テストが何回やっても密閉✖で付け直しを要求されるようになってしまったのですが、ノイズキャンセリング等問題無いように感じます。

4.Apple AirPods

使用レポート1
ペアリングもスムーズです、し、イヤホンをトントンと2回軽くたたくと電話を終えることもできるのでとても便利です。
使用レポート2
色々な動作が自然で戸惑うことがないので使いやすいです。
個人的に3000円くらいのBluetoothイヤホン(AUKEY_EP-T21)を購入したのですが、EP-21を複数端末にペアリングして使う際、使っていた端末で接続解除しておかないと別の端末で使えないことが不便です。AirPodsの場合、以前にどの端末に接続していても、使いたい端末で接続すれば使うことができます(地味な違いですが…)。
AirPodsのデザイン性はいろいろ言われていますが、比べてみるとAirPodsはスマートと思います。

リモート会議の音質に関心が無かった私に起きた変化

ヘッドセットを購入してから、リモート会議の音質に関心が無かった私も、こんなことを気を付けるようになりました。

・SlackやTeams、Zoomのオーディオ・マイク設定を確認したり、マイクテスト機能で自分の声を確認するようになった。(ヘッドセットのマイクが設定されていない事があったので)
・ヘッドセットのマイクを使用しないで話す時、ノートPCの近くに雑音を発生させるものを置かないようにする。(PCの電源アダプタを外す。卓上ファンを止める。)
・リモート会議でのスピーチの練習をするときは、録音または録画してヘッドセットを通した自分の音声を確認してみる。
・リモート会議に入る直前に、ヘッドセットマイクの位置や、ジャックの接続を確認しておく。
・リモート会議に入った直後に、「おはようございます」「お疲れ様です」と挨拶する。不安になるぐらい「シーン…」として返事が無い場合、ジャックの接続やマイクミュートを再度確認する。

「あるある」な内容になりましたが、以前はほとんど気にしてなかったことばかりです。リモート会議ツールの音質はある程度良いものですが、ツールに頼りっぱなしにならないようにしています。

自分にはっきり聞こえるのはもちろんですが、自分の声が相手にもはっきり聞こえているのか? を気にするようにして、リモート会議に気持ち良く参加できるようにしたい、と思うようになりました。

ちなみに、高丘の話の中で、「家族のいるメンバーもいるので音質にこだわりたい」とありました。私は仕事部屋を持っていないため、家族とスペースを共有しています。

以前は会議が始まると、生活音が聞こえないように、家族がかなり気を遣ってくれていました。私の声が大きくなることも気になっていたようです。

でも、私がヘッドセットを使うようになって、私の声が適度な音量になったことと、不必要に生活音を気にしなくても良くなった、と言ってくれています。

最後に

ヘッドセットにはたくさんの種類がありますので、この記事のリストが幾らかでも読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

リモート会議を気持ち良くするため、今回書かせていただいたヘッドセットなどハード面以外にも、いろいろな取り組みがあると思います。みなさんはいかがでしょうか?

今後も、リモートワークを気持ち良くするための、私たちの取り組みをご紹介していければと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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