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転職先の「リモートOK」は本当?人事の嘘を見破るチェックリスト

はじめまして、おさむです。
新卒では就職ランキングにも載るような大手日系企業(いわゆるJTC)に総合職として就職し、現在はフルリモートのIT企業に転職しています。年齢はアラサーで、共働きをしながら2人の子どもを育てています。

前職の日系企業はいわゆるJTC(=Japanese Traditional Company)とされる会社でした。建前上は、リモート勤務OKとなっていたのですが、現実的には出社せざるを得ない雰囲気がありました。
また、転職活動で数多くの企業について情報収集しましたが、「リモート勤務OKと実際にリモート勤務ができることには大きな隔たりがある」と感じています。自分の経験上の学びをまとめることにしました。

このnoteで目指すことはふたつです。

  • 転職活動でリモート勤務を希望している人が、実際にリモート勤務できる企業を見抜けるようになる。

  • JTCでリモート勤務できずに悩んでいる人が、職場の何を変えればリモート勤務できるかがわかる。

本記事は無料記事ですので、ぜひご覧いただき、お役立ていただけるとうれしいです。また、私自身がリモート勤務をしたい理由や、JTCである前職を辞めてIT企業に転職した経緯については別記事に詳細を書いていますのでよろしければご覧ください。


残念JTC時代

前職のJTCでは、コロナ禍とともに在宅勤務が解禁されました。これで前時代的な働き方から決別できる…。そう思っていました。しかし、現実はそう甘くはありませんでした。

ある日の会議のこと。20人規模の会議は「リモートでもリアルでもどちらでもOKですよ♪」とアナウンスされていました。当然僕はリモートを選択しました。しかし蓋をあけてみるとどうでしょう。自分以外全員が会議室にいたのです。部長以下全員が会議室に集まるなか、僕だけが大型モニターに映される姿はシュールだったはずです。

どうやら、その日は部長が職場で出席する大事な会議があり、部長に忖度する形で課長が職場で出席。その部下も…というループが発生していたようです。
いつ、誰が職場から参加するか気を遣わないといけない環境。そんな環境ではリモート勤務を気持ちよくできるはずがありません。

他にも、こんなことがありました。
ある重要なプロジェクトに誰をアサインするか。課長が、オフィスでよく一緒に喫煙所にいく若手にアサインしたことがありました。その社員は、オフィスで課長との関係構築に勤めていました。職場の運営方針によっては、オフィス勤務者とリモート勤務者に情報の格差が生まれがちです。もちろん、そのこととアサインの因果関係は知る由もないのですが、僕は大事な教訓を得ました。

  • リモート勤務が人事制度上OKだったとしても、そこには有形無形の様々な障壁がある。

  • リモート勤務OKと実際にリモート勤務できることには大きな隔たりがある。

転職面接でのチェックリスト

転職活動にあたって、僕はリモートワークができることを条件のひとつにしていました。(転職の動機や経緯は前述の別記事にまとめているので割愛します)

前職での経験や、自分自身の転職活動を通じて、リモートワークが快適にできる会社には一定の傾向があることがわかりました。逆に、リモートワーク可と掲げていながら、運用上は実質的にNGな職場があることも見えています。

そして、転職活動をおこなう人が、気持ちよくリモートワークできる会社を見破るチェックリストを作成したので、ここに公開いたします。転職活動をしている人にとっては、参考になる内容だと自負していますので、ぜひご活用ください。

  1. オンライン面接の場合、面接官にリモート参加の社員がいるか。
    →採用面接は、オールドな会社ほど“職場から参加すべき”と考えられている業務です。ここにリモート参加の社員がいるかどうかはリトマス紙です。面接冒頭の雑談タイムで、それとなく聞いてみましょう。

  2. チャットツール(slack, teams等)が普及しているかどうか。
    →チャットツールが普及していないと、オフィス勤務/リモート勤務の間で情報格差が生まれやすいです。また、非同期のコミュニケーションは、在宅勤務の必須ツールです。

  3. 在宅勤務に事前申請は必要か。必要な場合、申請は当日でも可能か。
    →子どもが急な風邪で在宅勤務が必要になることがあります。それはだいたい、朝に起こります。朝の発熱からでも、在宅勤務が選択可能でしょうか。

  4. リアル参加がマストの定例会議はあるか。ある場合の時間帯は。
    →リアル参加がマストの定例会議がある場合、それが自分のライフスタイル上受け入れられる時間帯かは用確認です。

  5. 直属の上司が、45歳以上の男性か
    →一般論として、45歳以上の男性は、家庭を配偶者のワンオペに支えてもらっている割合が高いです。直属の上司がこの属性にあたる場合、他のチェック項目をより慎重に確認しましょう。

  6. 職場でなければできな業務はあるか
    →個人情報に関するデータ、領収書の精算などの経理処理。これらは在宅勤務でも可能な職場でしょうか。上司の決裁をもらうのに物理ハンコは必要でしょうか。

  7. 配属されるチームの在宅勤務比率
    →配属されるチームは、一週間のうちどれくらい在宅勤務しているでしょうか。面接で聞くと、丁寧に教えてもらえます。同僚の影響は大きいので、確認しておきましょう。

  8. 在宅勤務中の“中抜け”は認められるか
    →家庭では夕方が「ピークタイム」。食事の支度に入浴、タスクは目白押しです。この時間帯に中抜けできるかどうかで、QOLは大きく変わります。中抜けが認められる頻度は?その時間帯に必須の会議はどれくらいあるか?あたりが柔軟性を左右します。

  9. 在宅勤務中の“中抜け”に申請は必要か
    →中抜けに事前申請が必要な会社も多いので、運用の柔軟性と合わせて確認しましょう。

  10. リモート勤務の場所に制限はあるか
    →リモート勤務の場所を、自宅に制限している会社は意外と多いです。旅行先や実家がどこまで認められるかも確認しておきましょう。

このリストを面接の過程で上から順番に確認していけば、かなり制度よく在宅勤務の柔軟性を確認できるはずです。
でも、これ全部聞いたらやる気がないと思われて面接落ちるんじゃないか?って心配になりますよね。

企業の人事部としても、人事制度は丁寧に説明してミスマッチを防ぎたいはずなので、決してリスクにはならない質問だと思います。どうしても心配な場合は、ひとつ方法があります。

それは、内定後に、人事担当者にまとめて質問のメールを送ることです。
複数の内定を比較検討して転職先を比較するのは当然のことなので、人事担当者も、内定辞退を防ぐために、丁寧に答えてくれます。場合によっては、制度上難しいことでも、こちらの事情をふまえて柔軟に対応してくれることもあります。

人事とのメールは形にも残るので、入社後に相談するよりもずっと楽です。ぜひやってみてください。

大事なのは、リモート勤務に関する会社の期待値を把握して、こちらの期待とずれがないかを確認することです。

私は転職によりフルリモートの会社に転職しました。転職活動の過程や、フルリモートによる生活の変化はこちらの記事も合わせて読んでみてください。

フルリモートの向き/不向き

転職活動をするとき、リモート勤務をしたいという希望はあったけれど、フルリモート勤務の会社でやっていけるかどうか、正直最初は心配でした。
同僚と仲良くなれないんじゃないか…仕事覚えられないんじゃないか…。

フルリモート生活をやってみてわかったメリット、デメリットを列挙してみますので、参考にしていただければ幸いです。

メリット

  1. 通勤時間がないので、自由に使える時間が増える。
    →毎朝10時始業の職場ですが、フルリモートと合わせて、朝がかなり自由です。息子を保育園に送り、ジョギングをし、コーヒータイムをしてから始業しています。

  2. ちょっとした隙間で家事ができる。
    →仕事の途中、オフィスだったらちょっとした休憩時間や雑談がありますよね。そのような感覚で、息抜きがてら洗濯機を回したり家の用事をしたり、役所の手続きをしたり。結果、アフター6を有意義に過ごせます。

  3. 保育園の送り迎えが十分対応できる(中抜けの柔軟性とセットで)。
    →朝9時に仕事が大手町で始まる人が、保育園の送りをすることを想像してみてください。

  4. 業務中の雑談がないので、仕事がはかどる。
    →これは人にもよりますが、僕は作業の途中で雑談することで集中力が途切れてしまうタイプでした。前職では残業もそれなりにしていました。

  5. 居住地が自由になる。
    →これは大きいです。地元に帰る、配偶者に転勤に帯同する、など人生設計の自由度が上がります。

デメリット

  1. オフィス出社のほうが、人間関係は濃密。
    →たまに、同僚にリアルミーティングをお願いして関係構築してます。ただ、華金に同僚と飲みにいくような生活が懐かしくなることはあります。

  2. 工夫しないと、慢性的な運動不足になる
    →毎朝ジョギングして、運動不足を補っています。同僚には、自宅の仕事部屋に昇降式デスクを購入した人もいます。

  3. 個室環境がないと、集中して仕事するのは難しい
    →特に、子どもが保育園から帰ってきた後などは大変です。仕事部屋に外付けできる簡易的な鍵を購入しています。

  4. 雑談など息抜きの時間が不足しがちなので、「過集中」に注意
    →合間に家事をするなどして、適度な息抜きをしてます。

  5. 隙間時間に家族から家事育児をリクエストされ、作業が中断されることがある。
    →家にいると、「会議をしていない時間」=「働いていない」とみなされて、ついついいろいろなことをお願いされがたいです。それが良いかどうか…。

いかがでしょうか?
個人的には、平日の体力消費が少なくなった分、土日に外出する・友人と遊ぶなどアクティブに過ごすようになりました。平日で疲弊して土日で体力回復、みたいなライフスタイルだったJTC時代とは大きく変わりました。


フルリモートで年収は減る、は本当?

たまに見かけますが、そんなことは全くありません。
JTCから転職する目線でいうと、年収の決定要素は大きく4つです。

  • 前職の年収
    →当然、転職時の年収は、前職の企業の年収とネームバリューに左右されます。

  • ジョブの種類と経験年数
    →総合職からのジョブ型に転職する場合、特定ジョブの経験年数が短いためポテンシャル扱いになることがあります。

  • 業界の年収水準
    →利益率の高い成長産業ほど、年収は高くなります。労働者の能力ではどうしようもない部分です。ちなみに、上司よりも高い年収をもらえることはないと知っておきましょう。

  • 日系or外資
    →当然、外資のほうが高いです。

転職する際、上記4つの事情によって年収が減ることはあるかもしれませんが、フルリモートの職場を選んだことによって年収が下がることはありません。

もうひとつ重要な側面をお伝えします。
リモート勤務により往復2時間の通勤時間がなくなることで副業の時間が捻出されることになります。これは大きいです。1日2時間、週3日だとしても週6時間。これは大きいです。私はこの時間を使ってtwitter運用の副業をしています。2023年9月時点で収益化に着手し、5万円/月の収益を上げることができています。

そのノウハウについてまとめた記事も書いています。こちらも合わせてご覧ください。

それだけではありません。リモート勤務によりWLBが整ってくると、共働きと子育ての両立が一気に楽になります。我が家では共働きの世帯年収、投資、副業を総合的に組み合わせ、アラサーにして純資産5000万円に到達できました。詳細についてはこちらの記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

最後に

フルリモート生活のリアルな日常や転職活動の振り返りについてはtwitterでもつぶやいています。もしよろしければフォローお願いします!

https://twitter.com/JTC_escape

記事本文中で触れた記事のリンクを再掲しておきます。気になるものがあればぜひ手にとってみてください!


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