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こんな暑い夏だから

今年の異常な暑さは、食の好みにも影響を与えている。

「私はあなたのソバがいい」なんて言葉もあるが、結婚の予定なし、長野県育ちの私からすると、あなたの傍なんかよりも、麺といえばやっぱり信州蕎麦。東京で食べる細くてコシがない蕎麦なんて蕎麦といえるのかとさえおもっていた。(ちなみに、この考えは、東京に出てきて、7割りでも8割でもなく10割蕎麦を立ち食い蕎麦で味わえる「嵯峨谷のそば」との出会いで打ち砕かれた。美味い蕎麦は、どの地域のものでも美味いのだ。)とにかく、ツルッと飲み物のように入っていく食べ物よりも、食べている!という感覚をよりつよく感じることができるゴツゴツしや食べ物が好きだった。

しかし6月にしてお風呂の給湯温度よりも高い日が続きと、あの毎年いまいましいと思っていた梅雨が恋しく思える。春夏秋冬の、春はどこえいったのかと思わざるを得ない。そのうち秋も冬も家出してしまわないかとしんぱいになる。
前置きが長くなったが、こうも暑いと、これまで好んでいたコシを味わう元気もなくなり、山奥の高原を流れる川の流れのように、冷たくてサラッと喉を通る食べ物から清涼感をもらいたくなる。そんな夏に食べたい食材のひとつが、パスタの一種、カッペリーニだ。

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カッペリーニには、まりでそうめんのようなパスタで冷製パスタに使用される。細くて、茹で加減によってコシも感じられ、なにより喉越しがいい。トマトやバジルなどと合わせたものもおいしいが、果物との相性もいい。今の季節は桃だ。ジューシーな甘い桃を生ハムやチーズと一緒に合わせて頂く。桃からじゅわっとでる甘さと生ハムやチーズの塩っぽさがお互いを引き立てる。これをオリーブオイルをたっぷり使ってパスタと絡める。甘い桃にパスタがあうのか?と思うかもしれないが、これが美味しいのだ。桃が好きな人には一度試していただきたい。桃だけだと麺との中和が取れないかもしれないが塩気のある食材を足すことで、デザートではなくちゃんと食事のひとつとして成立する。ツルツルと桃の果汁と一緒に味わうパスタから涼を感じながら、見た目の可愛さに気分も上がる、夏のご馳走様のひとつだ。

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