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ポルト大学2/4(アルヴァロ・シザ)

地形的な建築

木漏れ日が広がる学食棟

学食棟とその前に広がる広場は樹木に囲まれたエリアと開けているエリアがあり、木洩れ日の中で学生たちの交流空間が用意されている。撮影日は日曜だったためほぼ人はいなかった。試しに翌日の月曜に再訪したところ、多くの学生がたむろしていた姿を見かけた。
学食棟2階建てだが、上階は地上からスロープを使ってアクセスできる。授業棟エリアの間には地盤面高さに1階分の高低差がある。空間の分節を建物の配棟による平面方向だけでなく、断面方向でも分節していることで後述する授業棟エリアと空間の性質を整理している。オンとオフの切り替えを建物計画が誘導しているキャンパスデザインともいえる。

学食棟と広場、奥に見える授業棟広場への階段


学食棟のスロープは2階のテラスへとつながり、2階テラスと中庭空間として共存する。2階の高さレベルにて奥の授業棟広場から手前のテラスへ食事休憩しにくる学生と、1階の食事を終えた学生が木漏れ日の中でたむろする、2つの休憩時間の状態が丁寧に分けられ共に一体感を得られる空間と理解するとシザの思慮深さを感じることができる。
空間に伸びやかさを感じる。それは水平基調のデザインによるものだといえる。写真右側に位置する授業棟の基壇的のような石張り仕上の上端は、左手側のガラス開口部の天端より少し低い。そしてそれぞれの上端部のレベルは左右の建物で踏襲され、層状に水平基調のデザインがまぐ合う。

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