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【ブランディング】店舗設計でコンセプトが重要な理由

店舗空間のコンセプトは、顧客の体験やブランドイメージ、販売促進活動の効果に大きな影響を与える重要な要素です。魅力的で快適な空間を創り出し、ブランドの特徴を表現し、効果的な販売促進を実現するために、店舗のデザインに対して重要な役割を果たしています。ここではデザインの意義とコンセプトの重要性を解説します。


店舗空間をデザインする意義

顧客の魅力と快適さの向上

店舗のデザインは、顧客に魅力的な環境を提供することを目指します。美しく調和の取れたデザインや心地良い空間は、顧客の興味を引き、滞在時間を延ばす可能性があります。快適な空間は顧客のストレスを軽減し、くつろぎやリラックスを促します。店舗空間のデザインは、顧客の心地よい体験を創出するための重要な要素です。

待合ラウンジに一人用のソファと、自然の風景が堪能できる空間デザイン

ブランドイメージの表現

店舗のデザインは、ブランドのイメージや価値観を視覚的に表現する手段です。デザイン要素、カラースキーム、素材の選択などは、ブランドの特徴や個性を反映することができます。店舗がブランドのメッセージやストーリーを物語るようなデザインを持つことで、顧客はブランドとの共感を感じることができます。

店舗名とエントランス空間のイメージの合致

効果的な販売促進

店舗のデザインは、効果的な販売促進活動を支援する役割も果たします。陳列方法やディスプレイの配置、レイアウトなどは、商品の視認性やアクセシビリティを高めることができます。また、店内の流れや動線を考慮したデザインは、顧客がスムーズに商品を探し回れるように支援します。効果的な店舗デザインは、購買行動の促進や売上増加につながる可能性があります。

空間の色合いと調和する陳列台が、会計カウンター横に並び購買促進につながる

コンセプトで強化される店づくり

空間のデザインコンセプトは多店舗を経営するときはもちろん、フラグシップショップや個人店を出店するときにも重要となります。空間コンセプトの提示は、御要望から捻出された「純粋な世界観」を共有する方法となります。世界観を共有することで店舗の骨格が生まれ、ブレない経営路線や、いざ変化を必要とするときの拠り所になったりします。いくつかその効果を解説します。

顧客に何を提供する店づくりなのか

コンセプトを策定することによって、顧客への体験サービスを明確に定義することができます。店舗が特定のテーマやストーリーに基づいてデザインされている場合、顧客はそれを楽しみながら商品やサービスを体験することができます。また、コンセプトによっては、顧客が自分自身を特別な存在と感じることができるような環境を提供することも可能です。顧客にとって魅力的な店舗環境は、リピート購買や口コミにつながることがあります。

プライバシーを向上させるために、施術ブースに専用シンクを設けた

ブランドイメージの共感

ブランドイメージを醸成させ、顧客に共感してもらう効果があります。コンセプトを策定することによって、店舗が表現するべきブランドの価値観や個性を明確にすることができます。例えば、リラックスをテーマにした飲食店でも、景色を眺めて一息ついてもらうカフェと、カウンター越しにマスターと会話をしながら過ごすカフェではコンセプトが異なります。商品やサービスと相性のよいデザイン表現により、そのブランドイメージを鮮明に伝えることができます。

日本酒とおでんの店として天井に「桝」デザインが並ぶ

競争力の強化

コンセプトを策定することは、競争力を強化するための重要な手段です。顧客は今や商品だけでなく、その購買体験にも価値を求める傾向があります。独自のコンセプトを持つ店舗は、他の競合店との差別化を図ることができます。また、店舗の設計やデザインは、効果的な陳列や商品のプレゼンテーションにも関わっています。顧客にとって魅力的な環境や陳列方法は、購買意欲を高めることができます。

ホテルライクな空間イメージで、周辺他店にないリラックス空間をデザイン

コンセプトを練るためにクライアントが考えておくとよいこと

コンセプトのイメージを具体的に用意のあるクライアントであれば、第三者の意見としてデザイナーに添削してもらう程度でよいでしょう。しかし、業務サービス品質には自信があっても、空間コンセプトを練り上げるまで至れないクライアントであれば以下の内容をまとめデザイナーとご相談されるのがよいでしょう。

ブランドの目標と価値観

自社のブランドの目標や価値観を明確にする必要があります。どのようなメッセージやストーリーを伝えたいのか、どんな雰囲気や感情を顧客に与えたいのかを把握しておくことが重要です。これによって、デザイナーに適切な指示やガイドラインを与えることができます。

植物の生命感を感じられる店舗ブランドイメージを体現したアプローチ

ターゲット顧客とマーケットの理解

ターゲット顧客とマーケットについての理解を深める必要があります。どのような顧客に対して訴求するのか、競合他社との差別化を図るためにはどのようなアプローチが必要かを考えることが重要です。また、トレンドや市場の動向にも注意を払い、将来的な展望を考慮することが求められます。

若い女性客がターゲットのホワイトニングサロン

予算

予算について明確にしておく必要があります。どれくらいの費用をかけることができるのか、どの程度の期間内に完成させる必要があるのかを把握することは重要です。これによって、デザイナーとの交渉や進行管理を円滑に行うことができます。

ローコスト化を図るため桝でなく、木片を活用した日本酒を提供する居酒屋天井デザイン

コンセプトを考えることは、店づくりそのもの

再訪につながる「共感」

明確なコンセプトや考え方は、お客様の快適さ、心理的共感、憧れといった再訪したい店となれるか左右する重要な工程です。そのためには全体のバランスや必要な投資に踏み込む勇気と冷静さが大事です。商品や店づくりの考え方に共感したファンが生まれることで、店と相性の良くないクレーム客の出現を抑制し、店舗経営もストレスが減ることがかんがえられます。

まとめ

店づくりの重要な一手である「店舗デザインとコンセプト」についてまとめました。すべての店づくりに同じものはありません。しかし必ず参考になる店舗は存在します。店舗デザインを導くコンセプトを練るために、出店されるビジネスについてできる限り詳細にデザイン事務所と相談しながら検討することをお勧めします。

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