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土と木-土木学会誌2023年8月号 特集

毎月1日は弊会の会誌である「土木学会誌」の発行日です。
2023年8月号特集は 「土と木」。以下、特集目次をご案内します。

土木の語源となった土と木に焦点をあて、歴史的な活用事例や材料としての進化を振り返るとともに、土と木の将来を展望した本特集が、土と木の特性を生かした未来のインフラづくりに繋がりましたら。

土木学会誌2023年8月号表紙(表紙写真:山崎エリナ

「土木」とは、土木学会によって『市民のための工学』『市民の文明的な暮らしのために、人間らしい環境と整えていく仕事』と定義されている。英語で「civil」は「市民」や「文化」を表すが、日本語の「土木」は「土」と「木」の2文字を組み合わせて表す。この表記は、古代中国の思想に由来するといわれ、土を盛り、木で組んで人びとが安心して暮らせるようにすることを土木と表現した。土と木は、道路や水道橋、港湾などのインフラを構成する要素として広く使われてきた。鉄やコンクリートが一般的に使われるようになる以前から、自然災害に対する国土の保全や地域産業の活性化に貢献してきた。そして今、土と木は最新の科学技術を取り入れたインフラ素材として目覚ましい進化を遂げている。本特集では、「土木」の語源となった「土」と「木」に焦点を当て、様々な用途に適用されてきた歴史的経緯と土木材料の進歩を概観し、今後の利用を展望する。

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"Civil engineering" is defined as the engineering for citizens or the work to provide an environment with specific basic standards for people to spend their cultural lives, by the Japan Society of Civil Engineers, JSCE. Although the  term "civil" indicates "citizens" and "culture" in English, the Japanese word  "DOBOKU" combines two letters of "soils" and "woods" to represent civil engineering. This notation is said to be derived from an ancient Chinese philosophy that described civil engineering as ensuring safe human life by piling up soils and building with woods. Soils and woods have been widely  used as a component of infrastructures such as roads, aqueducts, and ports. They contributed to land conservation against natural disasters and revitalization of regional industries since ancient times before steel and concrete were commonly used. Nowadays, soils and wood are remarkably evolving as infrastructure materials incorporating the latest modern science and technology. This special issue focuses on soils and woods, which became the origin of the Japanese word for "civil engineering", by reviewing the historical usage applied for various purposes and the progress of civil engineering materials and projecting future use.

ABSTRACT- JSCE Magazine Vol.108 No.8 August 2023

特集-土と木- 目次

PART1 土と木の役割

鼎談|国土の基盤を支えてきた「土」と「木」

 知野 泰明(日本大学工学部土木工学科准教授)
 古井戸 宏通(東京大学大学院農学生命化学研究科森林科学専攻教授)
 海野 聡(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授)
 聞き手|榎本 碧 (土木学会誌編集委員)
     川口 暢子(土木学会誌編集委員)
     中山 裕章(土木学会誌編集委員)

材木流送技術と盛衰

 酒井 秀夫(東京大学農学生命科学研究科名誉教授)

PART2 古代から近代の技術

水城ー考古学からみた構造的特質ー

 杉原 敏之(福岡県教育庁文化財保護課参事兼課長技術補佐)

江戸の街の上水網

 金子 智(東京都水道歴史館企画調査責任者)

空海と満濃池修築ー9世紀の大規模土木事業と僧侶・地域ー

 寺内 浩(愛媛大学名誉教授)

石(土)と木が造出する機能美の傑作「錦帯橋」

 西山 徳明(北海道大学観光学高等研究センター教授)

PART3 現代から将来に向けた技術の発展

軟弱地盤対策としての丸太の可能性

 村田 拓海(飛島建設(株)土木本部グリーンインフラ部副主任)

地盤改良材の発展と新たな取り組み

 片岡 沙都紀(北見工業大学工学部地域国際系助教)

木材の材料としての技術開発と土木利用

 町田 初男(元・群馬県林業試験場主任研究員)

PART4 将来展望

座談会|「土」と「木」の特性を生かしたインフラづくり

座談会メンバー
 桃原 郁夫((国研)森林研究・整備機構森林総合研究所研究専門員)
 加用 千裕(東京農工大学大学院農学研究院教授)
 森田 紘圭(錦二丁目エリアマネジメント(株)取締役、
       大日本ダイヤコンサルタント(株)
        インフラ技術研究所未来都市推進室長)

さらなる「土と木」の世界へ

「土木」を構成する「土」と「木」が、人々の暮らしや産業を支え国土形成に果たしてきた役割を見直すために、本特集を企画した。将来的にも、土と木が、環境問題など現代社会が抱える課題解決に有効活用されていることが期待される。本稿では、土と木にまつわるより興味深い話題を提供できるよう、執筆者・登壇者から推薦いただいた関連図書を紹介する。

土木学会誌 Vol.108 No.8 August 2023 p36

論説・オピニオン

土木学会誌では毎号、土木技術者はもとより多彩な方々の見解・見識を『論説・オピニオン』として掲載しています。
『論説・オピニオン』では、土木に関わる多様な考え・判断を紹介し、議論を重ねる契機とすることを目的に、社会に対する土木技術者の責務として、社会基盤整備のあり方・重要性、国際社会における我が国の貢献、地球環境・地域環境保全に対する土木技術者の役割、公共事業をめぐる社会問題など土木を取り巻く広範な問題をタイムリーに取り上げています。
2023年8月号掲載の論説・オピニオンは土木学会noteでも公開しています。
またAI音声による読み上げ配信もstand.fmで配信しています。
こちらもぜひ、ご一読・ご聴取ください。

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