雨のにおいとわたしの涙

ときどき、

ときどきね、東京という街に救われることがある

土砂降りのなか傘をささずに

走っていたとしても

誰も傘に入れてはくれないし、

声もかけてくれない

でも、今日はそんな東京の街に

ありがとう、と言いたくなった

だって、声をかけられたら

頬をつたう涙がバレてしまうから


忘れられるじゃない

雨と一緒にわたしの涙も流れてくれたら

次の日には雨の匂いとともに快晴になる

そしたら、わたしの涙は

雨の匂いをかぐたびに、
思い出として懐かしくおもえるような気がするの

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