「逃げていいよ」と、こどもに教えるつもりだ
「あなたはそういう風に、逃げて生きてきたんでしょ。」
最近、奥さんに言われたセリフだ。
私の息子は2歳にもなっていないが、幼児教室に通っている。
奥さんが教育本を10冊くらい読んだ結果、行かせたいと言い始めたことが通うキッカケになった。
教室ではこどもをイスに座らせ、文字や数字を読んだり線を引いたりする練習を何度何度もする。
最初は全然できなかったが、最近では文字や数字がちょっぴり読めるようになり、すいすいと線を引くようにもなった。
成長はしている。しかし、私の中でその教室の教育方針に対して違和感があった。
とにかく「我慢」をこどもに求めるのだ。
練習をずっとやり続けること。イスにずっと座り続けること。おかしをすぐに食べないこと。
それができないと、叱る。
こどもが教室で遊び回りたくても、おかしをたくさん食べたくても、我慢をさせる。
でも、本当にそんなに我慢をさせるべきなのだろうか?
私は過去、2回転職をした。
今までいた会社はイヤになって辞めたわけではないが、辞めることに抵抗はない。「イヤになったら辞めればいいや」と思っている。
しかし世の中のニュースを見ると、日本人は本当に我慢強い。辛くても頑張るし、それを美徳としている人も多い。
でもだからこそ、過労死や自殺のニュースが後を絶たない。
最後の逃げ場所に「死」を選ぶ人が多すぎると感じる。
先日、ZOZOの田端さんも過労死に関するツイートで炎上していたが、私は田端さんの伝えたい意図にとても共感する。
「逃げていいよ」と、もっと伝えていくべきだと思うのだ。
ある日、奥さんに「幼児教室、辞めない?」と言ってみた。
奥さん「え、なんで?」
私「教育方針に、納得ができなくて。我慢させすぎだなと。もっと好きなことをやらせてあげたい。」
奥さん「じゃあこの子は、何が好きだっていうの?」
私「それは分からないけど。でも我慢はさせなくて良いと思うんだよ。我慢しなくても俺みたいに生きていけるわけだし。」
奥さん「あなたはそういう風に、逃げて生きてきたんでしょ。」
思った以上に根深い。
結局奥さんは全く折れず、幼児教室には通わせ続けることになった。まだ自我が芽生えていないし、読み書きなど基本的なスキルが身につきつつあることは事実なので、もう少し様子を見ることにしたのだ。
しかし、私はこどもがもう少し大きくなって「教室に行きたくない」と言い始めた時に「行かなくていいよ」と言える大人になろうと思う。
逃げ場所をつくる。そうしないと歪んだこどもになってしまう気がするのだ。
また以前も書いたように、こどもには好きなことをのびのびとやらせてあげたいので、何が好きで何が嫌いなのかを自分で感じ、嫌いなものを避けて好きなものを選び取れるようになってほしい。
だからこそ。
私は「逃げていいよ」と、こどもに教えるつもりだ。
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