小さな愚痴
寝て醒めると、突然寂しさが込み上げる。ひとりぼっちだと自覚する。
今日もまた1人で大学に行って、ほどほどの知り合いと授業を受けて、たわいの無い話だけをして、その間笑顔はキープで。
その後部活に行って、まぁ仲のいい方の友達たちと会う。これも笑顔はキープで。
何か悩みを相談できる間柄ではない、それほど距離が近いわけではない。ぼくと価値観が違いすぎて受け入れられないのは目に見えている。だからちゃんとした関係は築かない。終わりが見え透いているから。傷つくのが怖いから。
もう気心の知れた人なんていない。大学進学と共にみんな遠方へと消えていった。地元に残った子達も、みんな彼氏だの彼女だの作ってぼくの前から消えていった。
止めることなんて出来やしない。みんなそれが幸せなんだから。
頑張ったね、よかったね、口ではそう言っている、顔も本心からの笑顔を作れる、心も一時的になら本当にそう思える。自分を自分で騙すことができる。
そういう偽装ばっかり上手くなった。
もう誰にも会えなくなった。電話すら難しくなった。辛くなった時に頼れる人はもういない。
昔から覚悟はしていた、こうなることくらい分かっていた、でもどうしたらいいのか分からなかった。諦めることが1番誰にも迷惑をかけない、リスクの少ない選択肢だから。それ以外が思いつかなかった。ただの臆病者だ。
他人の幸せを喜んで、自分の感情に蓋をして生きてきた。それがみんなの幸せだから。ぼくは人の幸せを応援する義務がある。
きっと一生このままだ。学生の間になにも変えられなかった。ただの一つも、形式的な幸せさえ得られなかった。1番のチャンスタイムは過ぎてしまった。
あと何年耐えなければならないのか。泣いてももがいてもなにも変わらない。絶望に襲われるだけの人生が確定している。
今日も空虚な悲しみに襲われている。変えられない絶望に襲われている。一生これが続くのか。
みんな人生を前に進めている、ぼくはいつまでも足踏みのまま。
さぁ今日も一日笑顔で頑張ろうか。
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