私が苦しんできた発達障害の症状【ASD編】

筆者は正式に診断を受けた訳ではないが、色々な診断基準から確実にASDとADHDを併発している。
小さい頃から色んな症状に苦しんてきたが、その苦しみ方はライフステージの変化に伴い変化している。勿論これまでずっと苦しんできたものもあって、一生この症状と付き合わないといけないのかと思うとうんざりする。

今回はまずASDの症状の中で自分自身が苦しんできたものを列挙してみたい。(ちなみに単純に頭が悪いだけと言う可能性も否めない)

1.耳で指示を的確に理解できない
ASD人は、聴覚を用いての理解が難しい。筆者もその一人だ。
筆者の聴力には全く問題はない。普通に音声は聞こえている。しかしASD人の多くは視覚優位で文章を目で見て理解する方が得意だ。かくいう筆者もそうで、耳から難しい説明を理解することは全然できない。これが一つの指示だけであれば、理解できるのだが、複数組み合わさるともう理解できなくなる。Aをして、Bをして、その間にDをしながらCをして、みたな指示は全く理解できない。単純にAをして、だと何とかこなせる。

実はこれが社会人になってから、筆者が苦戦している理由の一つである。
勿論大企業なのでマニュアルは用意されているが、マニュアルには書いていないが本当に大事な知識は耳で入ってくることの方が多い。そのため業務の勘所みたいなものがなかなか頭に入ってこず、適切に指示をこなすことが出来ない。
実はコロナになってからと言うものの、この点は非常に助かっている。
オンラインでやり取りすることが増加したので、何事もチャットのような形で文書に残っているからだ。
これによって非常に仕事がやりやすくなった。

ちなみに大学時代は、サークルの飲み会で開催される所謂「ゲーム」に非常に苦しんだ。山手線ゲームやたけのこにょっきのようなゲームだ。周囲の速さに全く着いていけないので敢えて、早めの段階でお酒を一気することで泥酔し、ゲームには参加できないフリをしていた。(真似は大変危険です)

2.動作性IQが低い
IQテストをしたことはないが、筆者の場合は間違いなく動作性のIQが低い。基本的には作業がとても苦手である。先ほどの飲み会でのゲームが苦手ということと関連しているかもしれない。
具体的な作業の段階に入ると、手や体が思い通りに動かない。
例えば、ダンスでは高い動作性IQを要求される。いわゆる協調運動が出来ず、体の複数の部分を同時に動かすことが出来ない。
ちなみに幼い頃からスポーツをしており、中高でも6年間運動系の部活をしていたので体だけは強かったが、運動神経の悪さからあまり上達はしなかった。
運動だけでなく、作業を伴う物事は全て苦手である。中学、高校時代は、理科の実験や家庭科、美術、技術、音楽などは全て苦手であり、これが筆者が理系を諦め経済学部を目指すようになったきっかけでもある。またこのせいで、いわゆる内申点を稼ぐことが出来ず、公立高校は諦め、結局私学に進学することになった。(恐らくこの時に公立に行っていると東大には行けていないので、どっちが良かったのか分からないが)
実験もなく、出席も取らず、ペーパーテスト一発勝負の比重が全学部の中でも法学部に次いで高い経済学部は、発達障害の筆者にとってはオアシスのような学部であった。

3.空間認識能力が低い
これは2と関連しているかもしれない。筆者は空間把握が苦手だ。数学はかなり得意で全国模試で冊子に名前は何度か掲載されたことがあるし、「高校への数学」「大学への数学」の学力コンテストでも何度も表彰されたことがあるので、数学に対する苦手意識は全くなかった。それでもなぜか空間図形だけは全くできなかった。なぜか頭の中で空間をイメージするという事が全く出来ない。基本的には2次元までしか筆者の脳は受け付けないみたいだ。

これはスポーツにおいても同様であった。サッカーのように非常に高い空間把握能力、全体俯瞰能力が必要なスポーツはとても苦手だった。また空間把握能力が低いからか、部屋の整頓なども苦手である。恥ずかしい話だが、地図も読めない。グーグルマップが導入されてからは、自分が体を向けた方でどちらの方向に向いているかが分かりやすくなり問題が起きることも少なくなったが、それまでは目的地にたどりつくまでに二転三転することが多かった。

4.同時進行の会話についていけない
筆者はよく周囲から「話を聞いてくれる」「聞くのが上手で話しやすい」と言われることが多い。
1対1の会話はそこまで苦手ではないので、他者とある程度の人間関係を構築するのは苦手ではない。
その一方で、飲み会のような大勢の場でその場の会話の流れを理解するのはとても苦手で、会話に入っていけないし、大体浮いてしまう。
これも複数の情報を脳が処理できないからだと思う。恐らくこれが文章で書かれていて、目で追うことが出来るのであれば、全く困ることは無いと思う。
仕事では、いわゆる雑談みたいなところから先輩の技術を盗んでいったりすることが多いので、雑談についていけないのは本当に辛い。

5.感覚過敏(特に音)
実はこちらも昔から非常に苦しんできたものである。具体的には、夜道路の音が気になってしまうと全く眠れなくなってしまう。
大学時代は一度幹線道路の前に住んだことがあるのだが、その時は全く眠れなくなってしまった。またクラブには大学時代に二回くらい行ったが、ああまりにも音がうるさすぎて、とても辛くなったため、そこからクラブには一度も行っていない。

6.こだわりや特定の事象に対する関心が強い
筆者は昔からこだわりが強いと言われる。とにかく一つの物事にのめり込みやすい。昔から電車の駅名を見ることや野球選手のデータを眺めて自分で仮説を立てたりすることが好きだった。
大人になってからは、人の学歴や経歴に興味を持つようになった。その人の性格などにはあまり興味がなく、その人の経歴や学歴を見て、その裏にある社会的な文脈等に異常に関心を持つようになった。
受験の話もそうだ。最近では、学歴ネタを売りにしたYoutuberやXの有名人が多く存在するが、筆者もその類の人物なのだと思う。
学歴ネタは話していて本当に飽きない、そこから色んな社会的な事象が見えてくるからだ。
その一方で、興味がないことにはとことん興味がない。社会人になってからは、職場の人に興味を持てと言われたことも多かったが、その人の学歴にしか興味が無かった。上司の趣味や家庭構成と言ったものには全く興味が出なかった。これは実は社会人として出世を目指したいのであれば致命的である。

7.組織に馴染めない
これまでに所属した組織に馴染めたことはあまりない。
実は幼い頃、具体的には小学生、中学生くらいまではあまり問題になることは無かった。どちらかと言うと田舎の公立中学の同級生は単純で、あまり難しい話もしなかったからかもしれない。
大体遊戯王とスマブラとポケモンの話が出来れば、問題なかった。複雑な会話が出来なくても全く問題にならない。会話についていけないと思ったことは無かったと思う。

問題が出てき始めたのは、大学生になってからである。
大学生になるとどこかの団体に所属する必要が出てくる。勿論サークルやバイト、更にはゼミも入らなくても良いが、就活のことや人生全般を考えると問題であろう。
筆者は最初、東大でも王道系の学内サークルに入っていたが、正直そこの官僚的な雰囲気には全く馴染めず、結局地方出身者が多いインカレサークルに落ち着いた。ここは本当に自由で、女子大の学生は、懐が広かった。
多分どんな奴でも受け入れる土壌を持ったサークルだったと思う。
会社に入っても問題は解決しなかった。これまで本当に人間関係には苦労してきた。何でこんなに辛い思いをしないといけないのだろうかと思ったこともあった。
これまで実は自分が一番居心地が良いと感じたのは、マッチングアプリでの出会いである。基本的に1対1で、じっくりと相手の話を聞くことが出来る上、刹那的な出会いである点も良かったのかもしれない。
これまで筆者は何度か、東京は住みにくいと述べてきたが、人間関係の希薄さと言う点では恐らく日本一なので、そこは大変気に入っている点ではある。
現実問題、大阪や福岡に移住したとして、東京よりも濃いと推察される人間関係についていける自信がない。

以上が筆者が長年苦しんできた発達障害の症状である。
これだけの弱点を抱えながら、我ながらよく社会人やってるなと思う。
筆者が外資系に勤めていれば、恐らく試用期間で解雇されるだろう。
現に日系であっても、評価は良くない。恐らく東大卒の中では最底辺レベルだろう。それでも会社をクビになる様子は全くない。やはり仕事が出来ない場合は、アップサイドは諦めて大企業にしがみつくのがベストだという事だ。

読者の中でこんなASDの症状に苦しんできた等があれば、コメント欄で是非教えて頂きたい。