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保健室から vol.18「1リットルの涙」

ちょうど半年前に校内で配信しました。
高校というところはいろんな人がいます。
先生も生徒も含めて。



保健室から  vol.18
「1リットルの涙」

とある先生から質問を受けました。
「水分補給が大切っていうけど、たくさん水分をとっても結局おしっこになって出ていっちゃうんでしょ?
どうせ体から出ていくものをなんで補給しなきゃならないんですか?」

なるほど、感染症対策の一助としてこまめな水分補給はたいそう意義深いことについてはお知らせしたが(覚えてる?いや、それ以前に読んでくれた?)、
もともと、なぜに水分を積極的に補給しなければならないのかをお話ししていなかった。

さて、人間の体は実に60%が水分です。体重60キロの方なら、36キロ、
およそ36リットルが水。
これだけの水分を維持するためには一日に2.5リットルの水を補給する必要がある。
食べ物の中には自然に水分が含まれるので、一日あたりの食事で約1リットル補給できる。体内で作られる水分もある、これが約0.3リットル。
そして飲み物として摂取すべき量が1.2リットル。

でも、これはただ生きているだけで必要な量です。
歩いたり走ったり、しゃべったり、考えたり、泣いたり笑ったりすると水分の排出量が多くなるから、もっと必要になる。
標準的な高校生だと少なくとも2リットルは摂らなきゃならないという説もある。
1リットルの涙を流したら、3リットルの水を補給。

さて、水分補給を怠るとどうなるか?
体内水分の5%(体重60キロだと1.8リットル)を失うと脱水症状や熱中症が始まり、
10%失うと筋肉のけいれんや意識障害が出てくる。
そして20%を失うと死に至ることもあるとか。

運動をしたり、気温が高かったりすると、どうしても汗をかく。
汗を蒸発させてその気化熱で温度を下げようとする体の反応だからどうしたって汗をかく。汗を大量にかけば、その分の水分を補給しなければならないことは誰だってわかります。
特に夏場は汗をかいたと感じなくても、体表面から多量の水分が蒸発しているらしい。
だから、「喉が渇く前に水分補給!」となります。

で、体に取り込まれた水分がどのようなお仕事をしているのかというと、
それはまた次回。(とうとう連載になってきた。読者が離れませんように・・・)



「どうせおしっこになって出ていっちゃうものを、なぜわざわざ補給するのか?」
と聞かれたときは、こちらがびっくりしてしまった。
しかし、びっくりするとともに、自分が明確な説明をできないことにも気づかされた。

ということで、にわか勉強でご説明した次第です。

にわか勉強は悪いことではない。
すべての勉強は、にわか勉強から始まるものさ。
と、人生のほとんどをにわか勉強で切り抜けてきた私は思います。

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