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漂流教室 No.38 「『源氏物語』から 『めざまし』」

はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉みたまふ。

はじめから自分こそは帝のお寵愛を得ようと入内なさった方々は、くだんの更衣を目障りなものとさげすみねたまれた。(訳…私)

「自分こそは天皇から愛されるぞ!」
と思っていたのは女御さんたちでしょうね、やっぱり。
なんといっても身分が高い。
身分こそプライドの根源!

現代でもこういう人はいます。
身分制度なんかとっくになくなったはずなのに、いまだに家柄だの、肩書だのでマウントをとろうとする人。
(校長だからって、何をしてもいいと思ってんなよ!〇〇←お好きな名前を入れて遊んでください。)

さて、「めざまし」は「目障り」と訳しました。
現代語の「めざましい」は、
「めざましい活躍」のようにプラスの意味で使います。
「目が覚めるような活躍」ですね。

「目が覚める」というのは、「はっと気づく」ということです。
いままで寝ていたのなら、目覚めると意識が戻ってくる。
無意識から有意識への転換です。

つまり「めざまし」とは「意識する状態」、もしくは「意識せざるを得ない状態」と言えます。

自分こそが天皇に愛されるぞ!と意気込んで入内したのに、自分より低位の更衣ごときが天皇の寵愛を一身に受けている。
これでは意識せざるを得ない。
悪い意味で意識しちゃう。
「目障り」ですね。
で、目障りな奴は「おとしめ、そね」まれてしまう。
桐壺の更衣の悲劇が始まります。

ところで、我々の生活で「目覚まし」というと、やはり目覚まし時計かな?
この、4月以降ほとんど使っていません。
たまーに、早起きする必要がある時だけは使いますが、それでもこの半年で何回使ったかなあ?
おそらく、片手で数えられる程度です。

では、目覚まし時計は不要かというと、さにあらず。
夜中に目が覚めた時には時間の確認がしたくなる。
「おお、丑三つ時」とか、
「まだ4時か。も一回寝なきゃ」とか、
「うーん、6時だ、さてどうしよう?起きるか寝るかそれが問題だ」
なんてことを布団の中でやってます。

3月までは目覚まし時計に無理やり起こされていたことを考えると、幸せなもんです。
それにしても、夜中に最低でも2回は起きちゃうなあ。
もはや寝続ける力もなくなったか?


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