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保健室から vol.20 「岩塩」

7月9日配信の記事です。
「運動中に水を飲むな」と言われたのは大昔。
今では運動していなくても定期的に水分補給をすることが推奨されている。
隔世の感があります。



保健室から  vol.20
「岩塩」

前回までの配信で、水分補給がいかに大切か、おわかりいただけたでしょうか?
さて、実は「水中毒」という症状があります。
「水」で中毒が起こる?どういうことであるかというと、
腎臓には利尿速度というものがあって、これが毎分16ml。1時間で約1リットル以内の摂取なら体はおしっことして排出してくれる。
しかし、それ以上に摂取すると、細胞が水ぶくれを起こして血中ナトリウムの濃度が極端に低くなってしまう。そうするとどうなるか。
頭痛、嘔吐、意識障害、けいれん、呼吸困難、そして最悪は、死。

体液と同じ濃度の食塩水を生理食塩水といいますが、この濃度が0.9%。
体液中のNaイオンやKイオンは神経伝達に関わっています。
つまり、NaやKの濃度が低くなりすぎると、脳からの指令がうまく伝わらない。私たちの体は、脳からの指令に従って機能している。指令が来なきゃ生命活動がストップしちゃう。
「水中毒」恐るべし!

「やっぱり水の飲み過ぎはダメじゃないか!」というお声も聞こえてきそうですが、まず、飲み過ぎの度合いがすごい。1時間に1リットル以上、例えば2時間で2.5リットルとか、3時間で4リットルとか。そんなに飲めません。おなかが悲鳴を上げる。
しかも、これは真水の場合。摂取する水分中に塩分が入っていません。

塩分消費中(つまり運動中)の水分補給は塩分補給とセットでおこなわなければならない。
簡単に塩分を摂るには、塩分タブレットを利用したり、自然塩(いろんなミネラルが豊富)を舐めるのも有効です。牛や山羊や羊は岩塩を舐めて塩分を摂るとか。
みなさんも是非、運動中は岩塩をペロペロしてださい。(すまん、牛扱いしてしまった)

運動中にナトリウムやカリウムが不足すると、いわゆる「足がつる」という症状が起こることがある。体内のイオンバランスが崩れちゃった証拠。
そうなってから岩塩をペロペロしても回復までは時間がかかる。
運動の前に、最中に、そして終わってから、適度な水分と、適度な塩分を摂ってください。そして運動中は適宜休憩が必要です。これで楽しいスポーツライフが約束される。

運動後のびい○はミネラル補給にはならんのかなあ・・・(言うと思ったでしょ?)



びいるは利尿作用があるから、かえって水分不足を引き起こすそうです。
私なんかは運動した後で、シャワーでもして大ジョッキでグイッといくのが大好きなんですが。
いや、グイッといくために運動しているようなもの。
若いころ、夏休み前に部活動の生徒達にこう言ったことがあります。
「部活後はすぐにシャワーして、びいる飲みたいから、練習は3時からにしよう!」
当然、却下されました。

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