冷たいカロリーメイト

【研修医の思い出】

気がつくと21時をまわっていた。

病院の食堂、売店は20時まで
近所のお弁当屋さんも出前ももう終わっている。

やばい、お腹すいた。
でも今日中に済まさなきゃいけない仕事があるからまだ帰れない。
指がぶるぶる震えてきた。低血糖症状だ。
なんか食べなきゃ。

そういう時は多々あった。そういう時どうしていたか。
私の食事は一択だった。

私の研修医室のすぐ近くに大塚製薬の自動販売機があり、ポカリとファイブミニとカロリーメイトを売っていた。
私はよくこのカロリーメイトを食べて、飢えをしのいだ。
自動販売機の中にいるため、当然カロリーメイトはきんきんに冷えている。
研修医時代、冷たいチョコレート味のカロリーメイトを一体何回食べたことか。

カロリーメイトは二つで一袋に包装されている。
なんとびっくり一つで100kcal！
二つでやめようと思いながらもいつも3個目に突入。
しかし4個目を食べる前に満足する。したがって一つだけ残る。

翌日、小腹がすいたときに食べてみる。
、、、ぬるい。。。

私の舌はすっかりカロリーメイトは冷たい食べ物と認識していたので、常温だと違和感がありまくりだ。
私は冷たいカロリーメイトを好んでいたのだった。

研修医が終わり、私は放射線科に入った。
帰る時間が遅い日もそれなりにあったが、緊急になって気がついたらこんな時間ということは少なくなった。
遅くなる日は前もって晩ごはんを注文したり買ったりする余裕ができたのだ。

カロリーメイト、もう何年食べてないだろうか？
アメリカに住んでいるし、もう一生食べないかもしれない。
どうせ食べるんだったら、冷たいのがいいけど、わざわざ冷蔵庫に入れるのもなんだか滑稽。そして他の食べ物が食べれる状況だと、私はカロリーメイトを選ばない笑

今思えば前もって何か食べ物を用意しとけばよかった。
男子はカップラーメンが好きなため、机の上に備蓄している。
女子も何か常備しておいたほうがいい！

でもあの自動販売機のおかげで私は生き延びた。
大塚製薬さん、その節は大変お世話になりました！

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