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うちのネコ「セセ」は、働き者なんです
うちのネコ「セセ」は、生後2ヶ月頃、我が家にやってきた。
まだお母さんのおっぱいが必要な時期に引き離してしまって、本当に申し訳ないことをした、と今でも思っている。
我が家に「セセ」を迎え入れた理由は、よこしまであることは百も承知の上だが、ずばり「ネズミ対策」だった。
「セセ」の来る前の我が家は、いつも何処かでゴソゴソとネズミのうごめく音が聞こえ、時には目の前を堂々と横切ることもあり、着る前の新品のお気に入りのTシャツや、ありとあらゆる電化製品のコードが、ことごとく食い散らかされていた。
信心深い夫は、ネズミを殺すとお祈りの時間を倍にしないといけない、と言って、毒入りケーキを置くことを拒んだ。
我が家にやってきたその日から、そんなネズミ達の呪縛から私たちを開放してくれた「セセ」の功績は、まさに勲章に値する。
もう一つ申し訳ないな、と思っていることは、外へ出る自由を与えてあげられないこと。私のノミアレルギーと、外に徘徊するどう猛な犬達の存在を理由に、「セセ」は外へ出ることを今も許されていない。
可哀想なことは、まだまだある。それは生後間も無くから仲間と離れ離れになり、ずっと「孤独」を余儀なくされてきたこと。
そんな申し訳なさから、毎日のお食事、おしものお世話、そして手術や予防接種も、出来る限りのことはさせていただいている。
時には「盛り」で不気味な声で泣きわめき続けたり、ベッドやくつの上に敢えておしっこをしたり、わざわざ通り道に吐物を放置したり、数えきれない「いたずら」も、人間の都合で「セセ」の人生(猫生?)に強いている犠牲に比べれば、そして何よりその存在だけで、私たちをネズミの呪縛から開放してくれている功績を考えれば、大した問題ではない。
ある日「セセ」は脱走し、数日後に帰ってきたあと、食欲が明らかに増し、だんだんお腹が膨らんできた。手術をしたのに「そんなことあるはずない。きっと食べ過ぎだ。気のせい、気のせい。」と思っていた矢先、また隙をみて脱走した「セセ」は、夜中に生まれたばかりのちいさな「子猫」をくわえて帰ってきた。
「孤独」という自分の課題を、自らの力で解決した「セセ」。彼女のたくましい生き方に、いつも勇気をもらっている。
ありがとう、「セセ」。
人間のわがままで、いろいろ不自由にさせてごめんね。
本当にありがとう、「セセ」。
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