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祖父が亡くなって推し活を始めた話。
2024年1月上旬 祖父が亡くなった。
祖父の話。
祖父は夏休みの昼食や保育園の送迎、習い事の見守りなど私の幼少期に数多くの手助けをしてもらった人物だ。水泳教室の帰りにミスドでハニーオールドファッションを食べさせてもらったのが懐かしい…
献身的な祖父のおかげで、私は丈夫な成人男性になる事に成功した。体重はハニーオールドファッションのおかげで32kgから64kgに成長。幼少期から倍になってんな。
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一方で祖父も丈夫ではあったものの、年齢には勝てず、次第に衰えていった。会うたびに肉が落ち、骨や皮が目立つ姿が痛々しかった。食が細くなり、夕食はクッキーしか食べない時もあった。以前はワニや蛇を食べ、酒を飲みまくる豪傑さがあったのに。
自身が働ける歳になり
「今までの分恩返しをしなきゃね!」
と決心した。
介護もあるけど、美味しいものとかごちそうしたいな
なんなら、ひ孫の顔とかも!?
そう思った矢先だった。
突然の別れで実感が湧かなかった。
「息をしていません」
LINEに送られてきても「なに?何の話?」って思ったし。
あまりにもショックな出来事が起きると、不思議と頭と心で違った動きをする。私の頭では「まだどこかで生きているのかも」と悲しみを感じなかった。一方で心の方は祖父の家や棺桶の中を見た時、ただただ涙が止まらなかった。感情による悲しみではなく、心から溢れたものである。「心に穴が開く」という表現を初めて体感した。
推しに出会った話。
「もっと早く行動していればな」とか「なんであの時…」と後悔ばかりの2月上旬。死のフラッシュバックが続く中でアイドルオタクの友人が
「もうすぐ(友人の)推しが卒業するからライブ行かね?」
と言い始めた。
周りには祖父の死など告げていなかった(色々思い出しそうで怖かった)のでいつものノリで誘いが来てしまい
(え、今? このメンタルでさすがにそういうのはなぁ しかもアイドルて…)
と内心思った。
しかし、友人と行動すればこの気持ちも紛れるだろうという考えもあり、参加する方針となった。
当日は12時ごろに新宿へ向かい、友人の推しである「アイテムはてるてるのみ」を見たあと近くの丸亀で昼食を食べる手はずとなった。
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ライブ会場では様々なアイドルグループ矢継ぎ早に歌っていく、いわゆる対バン形式である。そこで「アイテムはてるてるのみ」の前に出ていたグループ「1000日後の話。」の二宮あー(私の推しとなる人)さんを見つけた。
新衣装はショーパンスタイルだよ.ᐟ.ᐟ pic.twitter.com/O9Ncru1Z4D
— 二宮あー(1000日後の話。) (@Senhana_Aaa) June 9, 2024
出た瞬間、釘付けである。見た目が好きというのもあったが、どの場面でも笑顔でいる(移動中とか気温が1℃くらいの会場のライブなどでも)点が魅力的であった。他のアイドルも笑顔だし綺麗ではあったが、なぜか自分は二宮あーさんだけに釘付けになった。
なんで?
今の自分に必要なものがあったのかもしれない。前向きさ?あんな風に笑いたかった?いや、やっぱり一目惚れかも。そしてその笑顔で心の穴が塞がったのを今でも覚えている。
動物を見たり聞いたり触れたりすると心が和やかになる。いわゆる動物介在療法(Animal Assisted Therapy)に近かったのかな。とにかく死に関するストレスからは救われた。
ひさびさの胸の高鳴りと共にあーさんの特典会(チェキ撮ったりできる)へ参加することに。
「会場の奥の方にいた人だよね?」
など場所を特定されたので、瞬間記憶も出来るのかと少し驚いた。(たまたま覚えていただけだと思うので、本人に何処いたでしょうクイズとか出さないで欲しい)
立ち直った後の話。
その後も何回か心の安静を求め、精神科「1000日後の話。」のライブに参加した。そして二宮あー介在療法(Ninomiya Aaa Therapy)を続けた結果、3月下旬には立ち直る事に成功。
立ち直った後もライブには通うようになった。
「推しが好きでたまんねーんだこれが」
という思いもあるが、
「助けてもらった分はしっかり応援で返したいな」
という思いのほうが強かった。
よくオタク界隈では
「推しは推せるときに推せ」
みたいなのがあると思うがその通りである。
アイドルは卒業とか規約違反(横領とか?)で急にサヨナラする可能性がある。生きているので急な訃報よりマシだけどね。
祖父には伝えられなかったが、助けてもらった推しには死別まで出来る限りの感謝や応援をし続けようと思う。本人が生きているうちにしか出来ないから。
…なんか重いな。
このままだとただ重い理由と想いの話になってしまうので、箱根で見かけた謎の像を添えてこの文章全体を軽くしておこう。
それでは!
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