自殺未遂
虐待に加え、性的虐待も毎日繰り返されていた小学5年生の頃、私は生きる気力を無くしていった。
交番に助けを求めに行ったらどうなるかな。
でも、児童相談所の人達みたいに何もしてくれなかったら…。
余計酷いことになる。
神様に何度助けを求めても、何も起きない。
何も変わらない。
もう、どうにもできない。
生きているのが辛い。
死にたい。
そうだ、死のう。
でも私が死んだら?
妹はどうなるだろう。
私が受けていた分が妹にいくのだろうか。
それはダメだ。
そうだ、遺書を書こう。
私が何故死ぬのか、何を男と母にされてきたのか、最後に妹は助けて下さいと書こう。
よし。
そして私は遺書を書いた。
ない知識を振り絞り、これがちゃんとした遺書だと認めてもらえるよう、印まで押した。
といってもシャチハタ印だが。
そして男と母に見つかったら証拠隠滅されると思い、分かりにくい場所へ隠した。
(13時ちょうどに包丁で自分の腹を刺そう。
でも時間まであと10分位あるな…。
そうだ、遺書の場所もう一度確認しておこう。)
そして、本当に少し時計から目を離した。
2分くらいのはずだった。
だが、時計を見ると13時2分だった。
「え?」
私はビックリした。
そんな筈はない。
それまで、本当に死ぬ気満々で何の迷いも怖さも無かった。
よし、13時15分に変更しよう。
いや、もういっそのことやってしまおうか。
キッチンに行き、包丁を手に取る。
途端に怖くなった。
(あれ、怖い。
何で?
さっきまで何にも怖くなかったのに。
何で。
…こんなに辛いのに。
私は死ぬ度胸も無いんだ。)
その後、日を改めて川に飛び込もうとしたり、市営の4階から飛び降りようと試みたが、全て直前で怖くなって出来なかった。
そのときふと思った。
死ぬのは怖いことなのに、なぜ死ねなくて惨めな思いをしているのだろう…。
死にたくても死ねず、惨めな思いをするくらいなら、寿命まで生き抜いてやる。
そう決意をした。
だからといって辛い日々は何一つ変わらなかった。
だが、死のうとして死ねなくて不必要に自分を責める事は無くなった。
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