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結局のところ、瞬間英作文で英語を話せるようになるの?元高校中退が検証してみた
はじめまして、うさこ🐰と申します。
筆者は留学経験がなく、加えて高校を一度中退している、街中で石を投げればあたるような平凡な人間です。
そんな平凡な私が、最近話題の瞬間英作文について実際に学習した上で、
実際にどう英会話力が変化したか?その感想をお伝えしたいと思います。
結論
いきなり結論に入りますが、瞬間英作文をすることで、実際に外国人と日常会話ができるかというと、
答えはイエスでもありノーでもあります。
というのも「英語を話せる」というレベルが、どのレベルの到達を想定しているのかは、その人次第だからです。
そこで今回は「英語を話せる」レベルが日常会話ができるレベルと仮定して話を進めます。
日常会話を楽しむための英会話力ならば、
瞬間英作文は日常会話を楽しむためのいわゆる「話すための英語」の大きな土台として、重要な役割をはたしてくれました。
よって日常英会話力を磨くためには、「DMM英会話」なり英語カフェなりに入会するなど、実際に英語を話す機会をどこかでつくる必要があります。
したがって、「瞬間英作文+実際に話す練習」が英語を話すためのキーポイントです。
上記の方法によって、私は海外で留学することなしに、交換留学に来た留学生や、日本好きの観光客と楽しく会話ができるようになりました。
どうせTOEICの点数が高いんでしょ?と思う方がいるかもしれませんが、
日本人に限って言えばTOEICの点数と話す英語に関連性はあまりないと思います。(私は偏差値40の高校を一度中退しており、TOEICの点数は決して高いほうではないです)
言い換えれば、たとえTOEICの点数が低い人であっても英会話を楽しむチャンスはだれにでもあるということです。
ですので留学をする余裕はないけれど、英会話ができるようになりたい!と考えている方にはこの記事は必読です。
瞬間英作文をやる前に
わたしは瞬間英作文トレーニングを行うことで、「話すための英語」の土台が形成されると申し上げましたが、
もしあなたが中学卒業レベルの読み書きや、聞き取りができないと感じるなら、それはまだ瞬間英作文トレーニングをするにはまだ早いかもしれません。
なぜなら自分がわからない言葉を聞き取ったり、話したりすることはできないからです。
これを「第二言語習得理論」で詳しく説明されています。興味があれば調べてみてください。
瞬間英作文とは?
ここで瞬間英作文の言葉を聞いたことがないよという方に向けて、以下に引用を置きます。
それなりに英語を勉強してきたのに話すことはからきし、という行きづまりを打破するのに極めて効果的なのが、瞬間英作文というトレーニングです。
方法は極めて単純で、中学で習う程度の文型で簡単な英文をスピーディに、大量に声に出して作るというものです。
つまり、英文を見て「わかる」状態から英文を実際に話すことが「できる」状態に移行させる手段のひとつが瞬間英作文といえます。
瞬間英作文を行うメリット
最初に申し上げましたが、瞬間英作文トレーニングを行うことで日本人が英語を話すための土台ができます。
英語を話せるようになりたい場合、まずは日本語と英語は文法構造が大幅に異なることを身をもって理解し、
英語の語順で話すことを体に慣れさせる必要があります。
例えば日本語と英語の違いがわかる例文をあげます。
例 私は今日犬と散歩にいきました。
これを英語の語順に並び替えると、以下のような語順になります。
例 私は散歩に行きました/犬と/今日
つまり英語は、主語の後に動詞が必ず続きますが、
一方で日本語においては、一般に動詞は最後に配置されることがわかります。
英語を公用語とせず、英語を使う機会も殆どなかった私たち日本人が英語を話すことになれるには、
この語順で話すトレーニングを反復的に行うことなしに、英語を話すことは非常に難しいでしょう。
なぜなら、英語に関わらず会話とは瞬発的レスポンスが要求されるからです。
瞬間英作文に対する批判
瞬間英作文をきっかけに私の英会話力は飛躍的にあがりましたが、瞬間英作文には以下のような様々な批評があげられています。
瞬間英作文テキストの大半はネイティブの検閲がされていないために、極めて不自然な英語を身に着けてしまう危険性がある。
仮に瞬間英作文の参考書の文を暗記したとしても、外国人にたいして紋切型の返答しかできないのではないか。
瞬間英作文では日常の英会話を網羅できない
英語はネイティブのように英語を耳に慣らすことで学習する方法が最適だ
では1から順番に検討します。
まず1についてですが、私も瞬間英作文を学びはじめたときにこの可能性を危惧しました。
ですが実際に私が、この瞬間英作文で得た型をつかってネイティブに話したところ、
文法的誤りは特に指摘されませんでした。
このことから、その講師は瞬間英作文の例文より精錬された表現がある可能性を考慮しても、
それを提示する差し迫った必要性を感じていなかったということが考えられます。
つまりこの危惧はただの杞憂です。
次に2についてですが、これは瞬間英作文の問題というより、
話すときの本人の癖の問題と混同しているのではと考えます。
例えば人間は習慣的な生き物であり、
また会話をするときは瞬発的なレスポンスが要求されるために、
我々の話す内容や返答の仕方には偏りがでる傾向にあります。
例えば私は、「つまり」とか「ようするに」という言葉を普段から多用してしまいますが、
これは本人の語彙の乏しさの問題というよりは、即座に頭に出てきた言葉を使っているにすぎません。
つまり、これは瞬間英作文の問題ではありません。
加えて3についてですが、これは瞬間英作文のコンセプトをはき違えています。
瞬間英作文はあくまで日本語文から英語文を即座に引き出せるようになるためのトレーニングであって、
日常英会話のフレーズを網羅する趣旨のテキストではありません。
日常英会話フレーズを学びたい場合、瞬間英作文テキストと併用する必要があります。
よって、これも瞬間英作文の問題ではありません。
最後に4についてですが、これはいわゆる言語習得における「臨界期仮説」に基づいた、
幼児の学習法の再現を指していると思われます。
「臨界期仮説」の解説については以下をご覧ください。
臨界期仮説(Critical Period Hypothesis)は、ある一定の年齢を過ぎるまで(臨界期)に言語に触れる機会がないと、その言語を完全に習得することが難しくなる、という考え方です。
臨界期の研究は現在進行系で進んでいます。
加えてスウェーデンで実施された移民と臨界期に関する研究結果によって、
ネイティブ並みに話せると考えた移民の内、実際にネイティブであると現地の人々が判断した62%の入国年齢が1-11歳のグループであることが判明してます。
従ってこのメカニズムに従って臨界期のすぎた大人が、
努力によって再現しようという考えは、幼児を除いて改めるべきだと思います。
なぜなら、この勉強法を再現することは、非常に効率が悪い可能性が高く、
英語と親和性が非常に低い日本語を話し、日本で生まれた我々にとって、あまりに挑戦的な考えだからです。
瞬間英作文が終えたら
私は瞬間英作文が終わった後は、フレーズ帳や単語帳と併用しながら語学交換アプリを使って、
まずは外国人とチャットでやりとりして簡単な英文を作る練習からはじめました。
次に英語学習者なら一度はきいたことがあるであろうDMM英会話を始めました。
結果的にこのDMM英会話が私にとって効果てきめんで、現在の私の英会話力を形成してくれました。
ですが、「日常会話を話す英語」の土台作りは間違いなく、瞬間英作文が作ってくれたと信じています。
SELの英語話者から気づいた核心
瞬間英作文を終えたタイミングから数日後、
私はこれで外国人と話せる!という期待に胸を膨らませて都内のある英会話カフェに向かいました。
そこには英語ネイティブの様々な講師がいて、そのなかで穏やかな雰囲気の講師と話すことに決めました。
結果としては話す練習があまりに不足していて、初めてのネイティブと話す緊張感もあり、会話を楽しむことなく散々な結果に終わってしまいました。
その後あるタイミングで、ネイティブに近いフィリピン人と話す機会がありました。
一応事前に断っておきますが、彼女はフィリピンの有名な大学を卒業しており、彼女の話す英語はいわゆるフィリピン訛りの発音でなく、非常に聞き取りやすい発音をしていました。
驚いたことに、彼女の話す英語の大半は中学レベルの基礎的なフレーズを組み合わせた文で成り立っていました。
さらに、難しい表現を使うときは彼女がわかりやすい表現に置きかえて話していることも判りました。
例えば少子高齢化社会の話をするとき、彼女はその言葉を「aging society with fewer children」と言っていました。
それをきっかけとして、第二言語として英語を駆使する様々な人々と話しました。
この時まで英語を話す時は、難しい表現を駆使しなければいけないと思い込んでいたので、この事実は衝撃的でした。
そしてこの時に私は自分の英語に対する視野が急に明るくなったことを鮮明に覚えています。
私が英語を話せるためには、このSEL(第二言語として英語を話す人々)である人々に習って、簡単な英語を次々と作って、話せるようになればいいんだ!という核心を得ました。
この気付きは瞬間英作文をやったからこそ、得られたものだと思っています。
最後に
凡人の私が瞬間英作文をして実感したこと。
私たち日本人がネイティブ並みに英語を話せるようにならないのは、日本で生まれたことが原因です。
また私たち日本人が、第二言語としての英語をフィリピン人やシンガポール人のように話すことができないのは、
日本の英語教育の弊害が原因であり、あなたに語学の才能がないことが原因ではありません。
この記事を見て少しでも話す英語に興味がでる人ができれば幸いです。
参考資料
「日本人学生留学状況調査」日本学生支援機構
「global business speak english」the new world of work
「脳科学からみた効果的な多言語習得のコツ」論文
「非ネイティブスピーカー志向の第二言語習得」論文
「将来、高い英語力を身につけることができますか?」バイリンガルサイエンス研究所
「第二言語習得研究」くろしお言語大学塾
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