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心に冷たい雨と母は太陽

父の検査の結果の付き添い。
たまたま主人の検査とも重なり、隣同士の診察室。
双子ちゃんの授業参観のようなあわただしさだ。

父の薬を受け取りまで30分かかるから、先に帰す。

あれを買って、これを買って実家に戻ると
『これも払うのか!!』と父の声…

(もう、やだ…請求してないだろうが!)と胸の中でつぶやく。

「お金いらないよ」と説明すると、笑顔になる。

(はぁぁあ?なんだってんだっ!!)と、怒鳴りたいところだ。

そんな時母が
『毎日、来てくれて大丈夫なの?仕事は?大変なんじゃないの?ごめんね』と。

あぁぁぁぁ、
認知症の母が、こんなに、私を気遣ってくれているのに、
父は、いったい…
比べますまい…

でも、そのとき

母が…
私の頬をなでたのだった
確かに痩せて細くなった手だけど、優しさは、何んにも変わっていない。
母は、私を照らしてくれる
太陽なのだ。

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