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第2回 失われた30年 日本の国際収支


日本の経常収支が下のグラフです。
1985年から2005年ぐらいまでは、
貿易収支である白い部分が稼ぎ頭
2005年以降は
第一次所得収支【海外投資のあがり】に置き換わっている

解りやすく言えば、国内生産をやめて工場をどんどん
海外に移転している。
そして海外工場からの利益が、投資の利益として、
日本企業の収益になっていることを、あらわしている。

海外に生産させて、利益だけいただければ日本は潤うから
日本の海外投資はプラスでうまくいってるじゃないか
貿易収支【国内生産】に頼る必要はないんじゃないか


違います。
企業はその利益をさらに新しい海外投資に回すので、
結局日本には何ものこらないのです。

更に、日本国民の雇用機会は失われ、
工場新設投資に伴う経済的波及効果も失われ
国が衰退するのです。

そしし、その先にあるのは技術移転
人材の育成も外国にあるので、中國では顕著ですが、
もう自分たちでできるので日本企業は不要
となるのです。
短期的に円高を回避するには海外工場移転は有効だが
長期的にはなにも残らないのです。
その異変を示すものが下記表です。


2022年増えた海外投資収益【灰色】が 貿易収支【オレンジ】の赤字より
大きく、差っ引きの折れ線の収支はプラスですが、
海外投資収益は増えたのではなく1ドル150円という円安で円換算したので
増えて見えるだけなのです。
海外投資収益は円高になると下がるのです。
貿易収支も円高になると大きくマイナスになります
【下記表 円高のタイミング2011から2014を参照】
次の円高になると日本の国際収支はマイナスになる可能性があります。

 

結局 海外に工場移転による海外投資は、短期的には、円高などの回避として企業収益の改善になっても、国力の低下や技術移転が進んでしまい
長期的にはうまくいってないのです。

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