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宗教や信仰についての雑記 #26

◯遺伝子疾患 その2

前回、存在することの代償ということまで書きました。今回はその続きです。

現在知られている遺伝子疾患の数は、7000とも9000とも言われ、その保因者の割合は疾患によって異なりますが、100〜10000人に1人だそうです。数字に大きな幅がありますが、ごく大雑把に見積もって平均すると、誰もが数個の疾患遺伝子を持っていることになります。

つまり、我々が五体満足で健康に産まれてくるのは決して当たり前のことではなく、先天的な病気や障害を抱えて産まれてくるリスクは、誰にでもあるのだと思います。

健常者が健常者として、病気のリスクが潜在的なものに留まったまま発症せずに産まれてくるのは、ただ単に運が良かったと考えることもできますが、全体を俯瞰する視点に立てば、健常者がそのリスクの顕在化を回避できたのは、誰かがそれを引き受けてくれたから、と観ることもできます。

前回書いたように、遺伝的な障害や疾患を我々人間が存在することの代償とみなすならば、先天的な障害や遺伝的な疾患を持って産まれた人々を、健常者の代わりにその代償を引き受けた人達と捉えることになります。
そのように考えれば、医療資源の適正な分配という社会的公正としての「正義」の論拠の一つになるとも思います。

ただ、この考え方にも難点があります。それについては次回にしたいと思います。

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