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宗教や信仰についての雑記 #114

◯アポミクシス

先日、道端に咲くたんぽぽを見て、昔、たんぽぽはアポミクシスで繁殖する植物だと学んだことを思い出しました。

アポミクシス(Apomixis)とは、無融合生殖と訳されるもので、植物における所謂無性生殖のことを指します。
球根やむかごなどによる繁殖もアポミクシスの一例だそうです。
あの綿毛の付いたたんぽぽの種は、受粉を伴わずに形成されたもので、みな遺伝的には母植物と同一のクローンです。

アポミクシスは有性生殖よりも少ないエネルギーで短期間に繁殖できるため、特定の環境に適応した個体にとっては生存競争の上で有利となり、繁栄してゆきます。
その一方で、他の個体からの遺伝子の移入がなく、繁殖したすべての個体が同一の遺伝子を持つクローンなので、環境が変化した場合にはそれに対応できず、生存競争の上で不利となり、衰退してゆきます。

宗教にもこれと同じようなことが言えるのではないでしょうか。
ある宗教が、その生まれた時代には多くの人々を救うことができたとしても、時代が移り、環境が変わっても昔の教えをそのまま伝えるだけで、変化した環境に対応できなければ、人々を救えずに衰退してゆくように思えます。

そう考えると宗教多元主義とは、ただ単に様々な異なる宗教を尊重しましょう、ということだけではなく、 環境の変化に対応するために様々な教えや思想を取り入れてゆくということも含まれるのではないかとも思います。

そうであるならば宗教多元主義は、既存の宗教が活力を取り戻す手段の一つになるのではないかと、道端に咲くたんぽぽを見てそんなことを考えました。

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