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感情教育4〜感情の記録をとろう〜


自分がどういう感情か認知し始めたら、
それがどの時間帯に多いか、時間軸で捉えることが大切です。

人の感情には波があります。
ずっと楽しいこともなければ、ずっと悲しいこともありません。

けれど、ASDのある人は、一部を切り取ってしまうことがあります。
そのため、1時間目の音楽の時間はすごく楽しそうにしていたのに、

「あの人の靴音がうるさくて、ずっとイライラしっぱなしだった。」
となってしまいます。

あれ?あんなに楽しいそうな時間帯もあったじゃないか。
そう思っても、一部を切り取ってしまうのです。

だからこそ、感情には波があることを自覚させ、
把握さる必要があります。

その時間軸は3つあります。

(1)時間軸① 1日

次の質問をしてみましょう。
   ①「あなたが一番楽しいのは1日のどの時間帯ですか?」
   ②「その時に何が起き、どのように感じますか?」
   ③「もっと楽しい時間を増やすためには何かできるでしょうか?」

例えば、体育が好きな生徒なら、
   ①4時間目の体育が楽しかった!となります。
   ②その時に、今まで飛べなかった高跳びを跳べたから、嬉しかった。
   ③練習を増やしたり、得意な種目を増やしていく。
などが考えられます。

もちろん、もっとささやかな喜びに気づかせてもいいのです。

そして「1日にの異なる時間帯に何をして、どのように感じたかを話してください。」と質問します。

   例えば、午前7時は?    午前10時は?    正午は?    午後3時は?  
               午後8時は?    深夜は?など、です。

1日のムードメーター


1日を振り返ってみると、感情は単一ではなく、波がある。
感情にはグラデーションがあるんだということを自覚することができます。

(2)時間軸② 一週間
   1日の流れがわかったら、少し時間軸を1週間に広げましょう。

   ①時間割が固定的な学校なら、「各曜日に行う授業は何ですか?」
   ②「いつ学校に行きますか?何曜日が良い日で、なぜその日は楽しいと感じますか?」
   ③「学校に行く日で、良い曜日には何をしていますか?
           何の授業があり、何の授業がないのですか?」

1週間の流れの中で、自分の感情を観察します。
その感情が、教科であったり、出来事であったり、活動であったり、
どんな出来事とリンクするのかを把握させていきます。

体育の授業が嫌いだとしても、バトミントンが好きということはあり得るからです。
逆に、音楽の授業は好きでも、リコーダーは嫌いということもあり得ます。


(3)時間軸③ 一年

さらに広げると、1年になります。
   ①「1年の中で、最も楽しい時はいつですか?」
   ②「その時にあなたは何をしますか?」
   ③ クリスマスや体育祭など、日本の伝統行事や学校行事の有無を尋ねます。

そうすると、楽しい時期が一年にはたくさんあることに気づきます。


1日を通して、1週間を通して、1年を通して、
感情には波があり、それは出来事とセットになっている。

そして、自分でも楽しい感情を増やすためにできることがあるのだと、
自覚させることができます。
   

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