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映画・配信作品ありきの最近の東映特撮ってどうなん?

ここ数年、いや、もう10年くらいになるだろうか。映画の設定が番組に持ち込まれるようになったのは。

「子供番組なんだから細かい設定は子供は気にしていないのでは?」と言われるともしかしたらそうかもしれない。

しかしそれとは全く関係なく、テレビシリーズはテレビシリーズとして完結すべきなのでは?というのが私の考えである。映画という機会を使った方が壮大で深い世界観が描けるのは大きな利点なのだが、個人的には映画を見た人が「あ、この描写ってそういう意味なのか!」と気付ける程度がいい塩梅だと思っている。

テレビ本編しか見ていない作品でさも「映画に出てきたあのキャラですよ〜」と知りもしない登場人物が颯爽と現れて最終回付近でいいところを持っていくのは何だか解せない。

いや、昨日の投稿で「夏映画めちゃくちゃ楽しんできました!最高でした!」と書いた後に書くのもなんなのだが、東映はディケイドの最終回を映画にぶん投げたことをBPOに怒られたのを忘れてしまったのだろうか。(ついでにその肝心な映画は物語本編と繋がっていないというわけのわからなさだった。)
むしろおいしいと思ってるとか?

今年のガッチャードは正直それが顕著で、本編で仮面ライダーレジェンドが出てきたときは本当に何事かと思った。それに先立って各種プラットフォームで「仮面ライダーガッチャード VS 仮面ライダーレジェンド」が無料配信されていたのはいいものの、普通にテレビで30分見てるだけの人は切り捨てたい客層なのだろうかと疑問には思う。あまりにも話についていけないので「仮面ライダーガッチャード VS 仮面ライダーレジェンド」は後から見たけれども(しかもカグヤ様大好き人間になったけれども)、いくら何でもそこまでしなくてもいいんじゃないのと。

夏映画は本当に良かった。嘘偽りなく最高だった。
それでも、いや、それだからこそ、あれが「ただの夏映画」で終わってしまうのは勿体無い気がする。そして時期的に次期ライダー放送前の最後の映画であることもあって夏映画はいつしか「集大成」を見せる場になってしまってて、その結果として映画を見ていないと最終回がフルで楽しめない事態になっている。
ガッチャードに関しては前半が正直今ひとつだったと思うので、その時間を削るなりして、今回のデイブレイクとの物語は本編に落とし込んだ方が濃い作品になったのではないか。

スーパー戦隊もそうだ。キングオージャーなんて普通に本編にイロキは出てきたし、最後の大決戦でデボニカが大きな鍵を握っていた。(ライニオールは回想シーンもあったんだったか、あまり違和感なかった記憶がある。)サービスシーンとしては最高だし、かつての登場人物がメインキャラクターたちを助けに来るのは王道の胸熱展開なのでわかるのだけど、毎年最終回に「ああ、映画の人ね」と思わされるのは正直めんどくさい。いや、めんどくさいのは私か。どうなんだろう。
多分ブンブンジャーの最終回付近ではニコーラが惑星トリクルから助けにきてくれるんだろう。多分。でもあれは「夏映画のお話」として留めておいていただいてもブンブンジャーのいちファンとしては特に文句はない。

より興行収入を上げたいという思惑は大人としては当然理解できるのだけれど、大人のオタク相手に「話を理解したければ見ないといけませんよ」という姿勢はどうなのかと思うし、コアなファンを重要視するあまりライトなファンを蔑ろにして作品離れを起こしては(実際にそういう方もいるようだし)本末転倒ではないのか。

この問題は近年のディズニーランドの運営にも通ずる話だと思っていて、コンテンツに人気が出てくると「日常の中に自分たちのコンテンツを置きたい」のか、それとも「しっかりお金を落としてくれるコアなファン層だけを相手にしたい」のか、舵を切らなければいけない時が来る。
そして私の知る限り、後者の選択をするとコンテンツは衰退する。

コアファンだけを残した楽園は新規ファンへの入り口を閉ざし、最後にはコアファンの出口しか残らないからだ。

#テレビ #子供番組 #仮面ライダー #スーパー戦隊 #東映 #特撮 #東映特撮

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