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🫧道化垫の探しもの🫧



こんばんは🌛

今日も䞀日、お疲れさたです🍃

このペヌゞを開いおくださり、
                                ありがずうございたす😌


20䞖玀を生きたロシアの䜜曲家、
セルゲむ・プロコフィ゚フ。

圌の䜜品の䞭から、
《ノァむオリン協奏曲 第1番 ニ長調》
                                             ã‚’ご玹介したす。

この䜜品は、挔奏する偎ずしおは、ずおも難しく、譜読みをする段階で躓いおしたいたす。

・先の読めないメロディヌに、
                          予想も぀かないリズム。
・音ずも蚀い難い、機械音のような音。
・䞍可思議すぎるハヌモニヌ。

私自身、今日ご玹介する曲を聎いた時、
頭を抱えたした。

これは楜譜通りの挔奏なのか

ず。

しかし、たくさんスコア譜を読み蟌み、
たくさん挔奏を聎くうちに、

もしかしたら、こんなこずを䌝えたいのかも

ず段々ず圌の䞖界芳を理解できるようになりたした。

圌の生涯、それは

絶察王政の時代
↓
アメリカぞの亡呜
↓
ロシア革呜
↓
祖囜が瀟䌚䞻矩囜家に
↓
第二次䞖界倧戊勃発

ず、政治的にも様々な倉化ず争いが起こった、暗黒の時代でした。

䞀方で圌は、アメリカぞ亡呜をした埌にも再び祖囜に垰るずいう祖囜を誰よりも愛した人でもあったようです。

圌の䜜品を理解する䞊で、ずおも倧切だず感じたこずはこの暗黒の時代を知るこずだず思いたした。

私の勝手な印象ではありたすが、
この20䞖玀のロシア(゜連)は、ずおも暗く、恐怖で芆いかぶさったような時代です。

きっず誰もが蚀いたい蚀葉ををぐっず飲み蟌み、我慢をし、歯を食いしばり耐え忍ぶそんな時代だったのでしょう。

こんな暗黒な時代だったからこそ、圌の描く圓時の䞍気味さや恐怖心、平和な䞖界ぞの理想を衚す奇抜な音楜は、玠盎に蚀葉では衚すこずが出来なかった圓時の人々の、心の栞に、ぐさっず刺さり、衝撃を、そしお共感を生んだのだず思いたす。

私がこの曲を聎く時、ふず想像したその䞖界をここに蚘録したす。

圌の愛した祖囜を舞台にしおみたした。

どうぞ皆さんも、この曲をそっず流しながら、
激動の時代を生きた、圌の肉々しい音楜を感じおください😌


♪


第䞀楜章 《前線》



今からずっず昔。

舞台はロシア。

この広倧な倧地は、倧きく二぀の地域に分断されおいた。人々は、この地域をそれぞれ、

‘スミレの囜’  ãš  â€˜é—‡é»’の囜’  ãšå‘Œã¶ã€‚

‘スミレの囜’ 。

それは、
人々が挚拶亀わしすみれの花が圩る街道を、賑やかなサヌカス団が明快なマヌチを響かせ、
街道の脇にある子坂の䞊には、この囜の由来にもなった ‘スミレ畑’ が目を芋匵る矎しさで広がる矎しい囜。

スミレ畑には、小さなお城があり、ある女性が、矎しい歌声を響かせる。
この囜の人々は圌女のこずを ‘スミレ畑の女神’ ず呌び、その歌声を耒め讃えた。


䞀方、‘闇黒の囜’ は、その囜の状態を知る人は少ないず蚀われるほどに、恐ろしく、
䞀床捕たったらもう二床ず逃げられない呪いがかけられおいるず噂をされおいる。


そんな二぀の囜を分断させる錆びれた倧きな門は、囜が分断されたはるか昔から䞀床も開かれおいないそう。



·····


(回想)

10歳の少幎むゎヌルは孀独だった。

生たれた盎埌に䞡芪は他界。
あの闇黒の囜の王に捕たり、殺された。

児童逊護斜蚭に預けられ、
十分な愛を知らないたた育ったむゎヌル。

10歳にもなれば、斜蚭の䞭では少し幎長者で、泣き止たない赀ちゃんや寂しがる幌児たちを、
笑わせる係を担うようになった。

やがお、圌のあだ名は ピ゚ロずなる。

しかし、人前で笑顔でいる反面、心の䞭は愛を知らないたたの幌い少幎に倉わりはなく、
圌は今たで以䞊の孀独を味わうようになった。


今日もたた、ミルクが欲しいず泣く赀ちゃんをお埗意の顔で笑わせお、庭でサッカヌボヌルをしおいた少幎が転んで、泣き止たないので、おどけた螊りで笑わせおた。

昌食のデザヌトのプリンをもっず欲しい!!ず泣き叫ぶ少女には、自分のプリンを半分分けおやったりもした。

ピ゚ロのむゎヌル 無感情のピ゚ロ少幎

ず子䟛たちにも、倧人たちにも呌ばれる日々。

圌の唯䞀の息抜きは、午埌14時。
子䟛たちの昌寝の時間だ。

この時間になるず圌は決たっおここを蚪れた。

‘スミレ畑’だ。

この時間になるず小さな癜い城から、矎しい歌声が聎こえおくるのだ。

すみれ畑のそばに悠々ずそびえ立぀、
オリヌブの朚の䞋に寝転び、
スミレ畑の女神の歌声に癒される時間。


䞀床も圌女の姿を芋たこずはなかったが、
むゎヌルはもうすでに、圌女の歌声に恋に萜ちおいた。


今日もい぀もず同じように小坂を䞊り、
オリヌブの朚の䞋ぞず向かう。

しかし今日は先玄がいたようだ。

そこには、かわいらしい少女が眠っおいた。

肩たでのブロンド髪がフワフワず颚に靡き、
くるっず長いた぀毛は圌女の癜くお透き通る肌にそっず圱をおずし、ほんのりずピンク色の唇は少しだけ開いおいお、そのあどけなさがずお぀もなくかわいらしい。


しばらく芋蕩れおいるず、

パチッずそのお人圢のような目が開かれた。
ふぁぁぁ ず倧きな欠䌞ず共に。

目を擊りながら圌女は蚀った。

んん      ã‚なたはだぁれ

少幎むゎヌルは驚き、挙動䞍審にたじろぎ、
答えた。

『むゎヌル。 むゎヌル・ダクヌシュキン。

きみは』

わたしは、ゟヌむ。ゟヌむ・モロゟフよ。

よろしくね。

陜だたりが心地が良くお眠っちゃったわ 

むゎヌルはずっず気になっおいたこずを聞いた。

『ゟヌむ、よろしく。

きみはどうしおここにいるの』


あぁ、、それはここが私の庭だからよ。

あそこが私の䜏んでいる城よ。


『えぇ

それじゃあ、あの歌声は君の歌声

君は、‘スミレ畑の女神’ なのか』

するず圌女は少し顔を赀らめお、

えぇ、そうよ。私は歌が奜きなの。

ず答えた。

~~~


昌䞋がりの暖かいたどろみのなか、
スミレ畑の、この堎所で、二人は出䌚った。

きっず、この時、むゎヌル同様、
ゟヌむも圌に䞀目惚れをした瞬間だった。


~~~



それからずいうもの、毎日むゎヌルはゟヌむの元を蚪れた。

ある時は庭に咲いおいた四぀葉のクロヌバヌをプレれントし、ある時はおや぀のクッキヌをこっそりず䞀枚倚く取り、ゟヌむず共に食べたりもした。

ゟヌむはどんな小さなこずでも喜んでくれた。

圌女の歌声ず、その埮笑みに圌の心は段々ず溶けおいく。

圌女はむゎヌルのちょっずしたこずにも笑っおくれ、その床に、

無感情のピ゚ロだなんお、嘘よ

ずお腹を抱えお蚀うのであった。

ピ゚ロず呌ばれ孀独だったむゎヌルが、唯䞀心の瞛りを溶ける存圚であり、同様に、
䞀人で城で暮らしおいたゟヌむにずっおも、圌の存圚は倧切なものになっおいったのだ。




ある晩のこず、

むゎヌルが枕に頭を぀けた時、


!!   !

ガラスが割れたような音。人々の悲鳎。

䜕かが壊される音。人々の眵声。

ヌヌヌヌ!

アむツらが! アむツらが来た!!

逃げろ!!

斜蚭の倖に出お、慌おふためく八癟屋のおじさんに『䜕があったのか』ず聞くず、

アむツらだよ。
闇黒の囜の奎らが、襲いに来たんだ


䞍吉な颚が過ぎった。

その瞬間、!!!! ず爆音が響き枡り、
あの、スミレ畑の城が焌け尜くしおいたのだ。

小さな圌女の悲鳎がどこからか聞こえおくるようで、走り出そうずしたむゎヌルだったが、
呚りの倧人たちに力ずくで止められ、
むゎヌルはその堎に厩れ萜ちた。



(回想終了)



⋯

あれから20幎埌·····

この土地は倉わらずスミレ色だ。

人々の挚拶は亀わされるし、

サヌカス団のおどけたマヌチだっお響いおいる。

しかし、䜕かが倉わった。

それは、もう女神はいないずいうこず。
もう女神の歌声は聎こえないずいうこず。

あの事件のあず、圌女の城は燃え厩れ、スミレ畑は焌け野原に倉わった。

圌女の行方はだれも知らなかった。

倉わっおいないような景色は、
䜕かが確実に倉わっおいた。

人々は、
お互いの顔色を疑うように挚拶を亀わした。
それぞれの目の奥には貪欲な色を朜めお。

サヌカス団はおどけたマヌチを響かせるが、
䞍芚にもその音色は、録音された音みたいに、機械的で、圌らの螊りにも自由がなかった。

街道は、造花のスミレが食られた。

床々蚪れる闇黒の囜の䜿者の芋匵り。

倉わらない景色を装う‘スミレの囜’の䞍気味さを囜の誰もが心に抱いおいたが、蚀葉にはせずに、荒らされないようにこれ以䞊乱されないようにず平穏を願い、暮らしおいた。


30歳になったむゎヌルは、もう立掟な倧人だった。
あの事件の埌、圌は感情ずいうものを倱った。

喜びも悲しみも、孀独も幞せも、党おが ‘無’ になっおしたったのだった。

そう、圌は完党にピ゚ロになっおしたったのだ。

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