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私の子育ての格言

子育ての格言、と聞くと世界中に沢山あると思われる。
頑張る母を慰めるようなセリフや、勇気をくれるセリフなど。

かく言う私にも心に残る格言がある。

あれはもう5年前。
娘を出産した時の産婦人科でいただいた言葉だ。
その時私は第一子出産であり、出産と同時に母となったことに不安や戸惑いを感じていた。

昨日までお腹の中にいた子が外に出たと同時に私は母となり生活が変わった。

おむつの変え方や沐浴、やった事がないことに不安を覚える一方で、それらがうまくいっていないと感じ焦った。

そして娘はよく泣いた。
よく泣く娘に「どうして泣いているのー?」と優しくいかにも母親らしい声をかけていたが、内心は(自分の抱き方が上手じゃないからかもしれない)と体が固くなった。

極め付けは私は母乳があまり出なかった。
産後全く乳が張らず、3時間毎にくる授乳の時間が苦痛であった。
授乳室では、乳が張りすぎて痛いと言いながら搾乳してもらっているお母さんや、授乳の姿勢も安定感がある二人目出産したお母さん達を見て、自分は劣等生だと感じた。

授乳が終わり、助産師さんに娘を預けた時に、助産師さんに抱かれた娘がなんだか私が抱っこした時より心地良さそうな顔をしてるように見えて、病室に帰ったら私は泣いた。

こんなはずじゃなかった。
私はもっと良いお母さんのはずで、おっぱいだって沢山娘にあげれて、もっと幸せな気持ちなるはずだった。

娘をちゃんと育てられるだろうか。
不安と焦りが一気に募った。

そんな気持ちを抱えながら、私は退院の日を迎えた。
退院の際に、ベビーリングと色紙のプレゼントをいただいた。
そしてその色紙に書いてあった言葉を見て、私はまた泣きそうになった。

子育ては泣いて笑って明日が来ますよ


この言葉は、助産師さんが、退院されたどのお母さんにも同じ言葉で書いているのか、私に向けてわざわざ書いてくれたのかは分からない。

けど、その時の私にすごく響いた。
そしてその色紙を見た私の母も「ほんとだね。まさにこの言葉の通りだね」と言った。

三人きょうだいを育てあげた母。きっと母も、色んな事があったんだろう。

あれから5年経ち、娘も成長し、そして私は息子も出産し、二人の母になった。

今でもしんどい時はこの言葉を思い出す。
そして、産婦人科で落ち込んでいたあの時の私も、今となっては良い思い出だと思える。

きっと今こうやって一生懸命育児をしているのも、何年後には、あの時に戻りたいなーと思えるんだろうな。

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