夕べの声は
ん?
なに?
よくこうして川を見ながら話したね。
この高いビルの窓から見える空は広くて
大川はゆったりと流れて
仕事や家族の話を飽きるまでしたね
あなたは、それで?それで?って身を乗り出して
聴いてくれた
「それは、仕事ができたからでしょ?」って
何かにつけてあなたはよく 聞いてきた
ふふ
そんなの関係ないのよ
ねえ
仕事もだけど そんなに人の評価を気にしてたら
あなたの人生を生きられなくなるよ
そう言って優しい瞳はまっすぐ私を見てきた
靜かな静かな夜の夢のなか
遠い昔の記憶の欠片がコトンと落ちる
昨日の映画のシーンが浮かび上がる
強さ、素直さ、温かさ。
いつもいつもその人は満開の笑顔と
ひととハグし合った
身体中で踊り跳ねた
咲いた大輪の花の陰にあった
数え切れぬ
誰も知らぬ数え切れぬなみだを
気づかせることもせず
にゃあ
ああ
朝だね
鳥が鳴く
変わらぬ朝の光り
ふっと笑みがこぼれた
おはよ
眠れたかい?
ねえ
あの日のあなたとの語らいは
与えるしあわせ
与えられるしあわせ
そっと受け取ってた
そっと手渡して
あたたかだった
天からのギフトに思えた
今日は 雨は一休みかな
かわいいあの子の傘が 今日は見られない
その代わり
こんにちはの柔らかな笑顔に会えるだろう
今日も 一日が始まる
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