努力の無い所に感動無し、感動の無い所に人生無し。
対抗戦は
社会人のメンバーさん達が中心になって闘っているので、お昼前後と夜が戦闘のピークタイムになる。
その日私は仕事が休みで、VCには何人か猛者の皆さんがお昼前に集まっていた。
何やら画像共有している様子
勉強のチャンス!!と思い聞き専でドキドキしながらVCに入ってみる。
『お疲れ様です😊』
中々落とせない拠点があるらしく、皆さんやや殺気立っていた。
仕事中でVCに入れないメンバーさん達もチャットの様子を見ながらコッソリとログインし、闘ってみるもかなりの手強さに「ダメだったー!」「強い!!」等と書き残していた。
ふむふむ、世の中にはまたまだ私の知らない猛者の方がいるものだな
。。。と、他人事に思いながら戦況を覗いていると
魔神族編成作れますか?
『あ?え?!私?わたしにですか!?!?』
ここの拠点に入って闘えと。。。そんな、皆さんで勝てないなら私のパーティなんて問題外ですから。
皆さんもう、適正の攻撃編成を使い切ってしまったんだ。指示はこちらで出します!
私如きが適う筈も無いのは百も承知。でも、千載一遇のチャンスだ!!
手を震わせながら慣れない手付きでdiscordを画像共有に切りかえ、一覧ボックスを観て貰い、アタッカー、サポートキャラを並べる。
主人公の魔神族アタッカーは先日必殺MAXになったばかりだ。
コスチュームも揃え、強化素材も毎日集め、コツコツ育成して来た。
敵に不足無しだ!
嗚呼、神さま!!!!!
『よろしくお願いします!』
祈る様な思いで拠点に入る。端末を持つ左手も、カードを切る右手人差し指も、武者震いかプルプルと震え、心臓が口から飛び出しそうだ。
全身全霊で指示に耳を傾ける。そこに居る皆が勝ちたい一心で私と指示役を見守る。
そこは、笑いや和やかな雰囲気とは対局にあった。
猛者の女神族編成を一体倒すも、こちらのサポートキャラは一体、また一体消えて行く
育成不足が仇となる。。。
だがしかし、必殺MAX魔神族アタッカーはHPを回復させながらまた一体倒して行く。
おおお!!!ギャラリーの歓声
『頑張れ!!』私も思わず使用キャラに声を掛けてしまう。
そして。。。。
苦戦した、誰も倒せなかった、あの女神族編成を、とうとう私がクリアした。
おおおお!!!おめでとうございます!!!
凄い!!おめでとうございます!!!
すげぇーー!!おめでとうございます!!!
@everyone
皆さん!!あの女神族編成を上回る強い魔神族編成でとうとう全滅させました!!
このまま勝利に向かって前身しましょう!!!
『皆さんのお陰です!ありがとうこざいます!』
私への祝福のメンションの嵐
いや、貴女の育成が勝ったのですよ😊素晴らしい!おめでとうございます!!
始めたばかりの頃、何も知らず、何も出来ず
煽られ罵倒された日々。それでも自分を信じて騎士団を移籍し毎日コツコツ育成に励んで来た。
私は自分自身に勝ったのだ!!!!
様々な感情が一気に込み上げ、discordのマイクはONのまま感極まり泣いてしまった。
一緒に泣いてくれたメンバーさんも居た。
最後の編成も入ってみる?女神族組めたよね?
『はい!出来ます!』
アタッカーの必殺は?
『(もちろん)MAXです!!!』
頼もしい!MAXになったのか!?
私だけのマジカルガチャで2天井ピッタリMAXになった女神族アタッカーは大活躍し、最後の編成も倒し拠点はオールクリアになった。
ゲームがこんなに楽しいなんて!!
@everyone
女神族編成の大活躍により拠点はオールクリアです!凄い!!本当に凄い!!おめでとうございます!!
私は、この瞬間の為に努力をして来たのかも知れない。
またマイクはONのまま泣いてしまい、気持ちを落ち着かせる為に取り急ぎ指示役のメンバーさん、VCに居たメンバーさん達にお礼を述べ
早々とdiscordを閉じた。
閉じてからも、私は暫くそのまま泣いていた。
スーパーに買い出しに出かけ、買い物をしながら堪えきれず思い出し泣きする。
気付けば私の防衛編成は16防衛もし、バケモノと呼ばれていた。
─── 続く
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