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スローモーション

人は身の危険を感じると、目の前の物事をスローモーションのように感じるそうだ。
これは「タキサイキア現象」といって、身の危険を感じた瞬間に血圧が上がり、アドレナリンが急激に分泌し、全ての動きがゆっくりに感じられるためな
んだそう。

突然の危険に対して、目の前がスローモーションに見えたことはあるだろうか。

よく、事故を起こした瞬間周りの景色がスローモーションで見えたとかいうアレのこと。


これは息子から聞いた話。
給食時間、当番の子が小さいおかず(副菜)が入ったお鍋を落として中身をこぼしてしまったそうだ。
給食室から教室へ運ぶ廊下での出来事。

話を聞くだけでかわいそう過ぎて、その子のことを思うと胸が痛くなった。

子どもは時に薄情で残酷だから、「〇〇さんがこぼしたらしいよ〜」とか言ってる、絶対。

その後、他のクラスをまわって副菜が余ってるところから分けてもらったそうだ。


✳️
その話を聞いて思い出したのが、昔パチスロ屋でコーヒーを売るバイトをしていて、ドル箱をひっくり返しちゃったことだ。

パチスロ屋のコーヒーは、玉やコインで買うことができるので、レジ締めのとき換金に行かなければならない。
だから、ひっくり返したのはコーヒーワゴンの売上分。

お客様の玉じゃないからよかったが、その時は本当に転がるパチンコ玉がスローモーションで見えた。

バラバラバラ〜ッと転がる転がる!
めっちゃ転がる。でもこぼれ方はスローモーション。

(ああ…終わった……)

と思った。
閉店間際だったので、お客様が少なかったのがせめてもの救いだった。と思う。(あんまり覚えてない)

私は呆然と通路に立ち尽くしていた(邪魔だよ)。
ほんとに漫画みたいだけど、絶望…
救いようのない光景…
時が止まったみたいだった。

すぐにバイトリーダーが気づいて、パチンコ玉がくっつく磁石の棒を持ってきて、一緒に拾ってくれたのだった。(杖みたいなやつで先っぽに玉がくっつく)

その後、助けてくれたバイトリーダーと恋仲になり付き合った…




わけない。


✳️

小さいおかずのお鍋をひっくり返しちゃった子は、目の前の映像がスローモーションだったか分からないけれど、すんごいショックだったと思う。ヤケドとかしなかったのかな?立ち直っただろうか…

ドル箱ひっくり返して20年以上たったが、それ以来目の前の映像がスローモーションになったことはない。

ぬるい人生だ。

変な話ですみません。

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