メリットのない町内会

町内会奮戦記メッリトのない町内会私は10年間、町内会役員をしています。
きっかけは役員の当番が回ってきたことでした。この年は、町内会の改善が必要とされ、同年代の人たちが運営改善に興味を示していました。10年が経ち、仲間たちは去り、私一人が残りました。それでもなお続けている理由は、私にとって利点があったからです。
利点を受けられたのは、所属した部署が恵まれていたことにあります。私は少年部と総務部を担当しました。少年部は子供たちの育成のためにさまざまなイベントを行い、自分の子供と共通の思い出を作ることができました。総務部では会議の進行を改善し、初めて参加する役員がみんなの名前がわかるように名札も作成しました。
地域の人たちと関わることによって、貢献することが他人から認めてもらうとか評価の向上などに幸福感を得、メリットと感じたのかもしれません。
私は『メッリト』とは具体的な利益や得がたい利点を示すものだと考えていましたが、地域で様々な人と関わり、共に行動する中で、それは合理的な利益や解くだけでなく、人々の行動や決定に影響を与える心理的で感情を持った概念だと気づきました。
この数年で、多数で行動すればそこには多様な意見が生まれ、ある選択が不満や決定困難を引き起こす可能性があることも見えてきました。しかし、そのようなことも地域のつながりを強化し、共感と協力を進めることがあります。地域で関わり合いを持つことで、今共同体への貢献や福祉の向上もメリットの一部ではないかと考えるようになっています。
現在、町内会では会員の減少と役員不足が問題になっています。新規加入に行くとメリットを聞かれることがありますが、残念なことにベテラン役員でも答えられないそうです。私はこれに疑問を持ちました。町内会にメリットを伝える力が不足しているのではないかと考え、1年間で誰もがメリットを感じるプロジェクトを提案しましたが、残念ながら却下されてしまいました。却下の理由は、『硬貨による会費の集金が面倒』を優先課題にしたかったためです。ATMの有料化も追い風になったようですが、会費が減収する可能性もあり、この課題は目的を失っているように私には思えます。
そこで私は、町内会の存続と発展が重要だと考え、改善策を模索し始めました。すると、各部の活動報告から、関東大震災から節目の今年に、防災部が何も活動していないことが判明しました。防災部は先期から問題を抱えており、人事改定により改善を期待していたのですが、まさかの結果です。問題解決のために執行部が防災部部長を兼任する、計画性のない人事を行ったことが要因であり、更なる改善が急務になってしまいました。
過去数年間の観察から、イベントが役員完結型で行われていることがわかりました。これは『参加させない体質』を生んでいる可能性があります。そこで私は、所属する少年部からこの体質を改善し始めました。新しいアイディアを実行するために、部長経験者として裏方でサポートする環境を整え、次世代の役員が自由な発想を持てるように心掛けることで、若い世代が先頭に立てる仕組みを構築しました。時間を拘束せず、裏方は私たちが努めるシステムです。次のステップは、子育て世代会員の参加を迎える仕組みづくりに移ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?