量的緩和策3総括(2024年のデルタ99)
「総括書きますか」
口頭だと、僕の思考は飛び飛びに見えるから
後で検証するのにいいように、概要を纏めておくかな
後はインフレ対策で、今回の量的緩和は1ピリオドだしな
「ですね」
まず、潜在成長力を引き出すという事がどういう事か、からの説明
採掘率の変わらない無限の鉱山を想像して欲しい
もし、そんな鉱山があったらどうするだろうか?
まず、一番効率の良い穴を掘って鉱物を取り出すだろう
最初の坑道の採掘率を100%ととする
潜在成長率を引き出すというのは
次に採掘率80%の坑道も掘るという事だ
更に次60%の坑道も掘る
まあ、採算が黒字である以上、坑道を作れば作る程、経済成長率は上がる訳だが、徐々に新しい坑道は黒字の率が悪くなる
最も効率の良い方法はどれかと言えば、黒字の坑道を全部掘るという事になりはする。だが、一番最初に掘った坑道が一番利益率が高いという事は変らない。黒字の坑道を全部掘れば、後は幾ら金を注ぎ込んでも赤字にしかならない
簡単に説明すると、これが潜在成長力を引き出すという事だ
取り敢えず、潜在成長力の説明をここで終わる
で、実際の量的緩和の総括に入る訳だが
まず、量的緩和によって引き出される潜在成長力の発露は100%以上であるべきかという話に入る
神ならぬ人の目で、潜在成長力を100%引き出すという事は
100%を超えるという事だ
しかし、100%を超えた時に、その貨幣は基本的にインフレ率に回る
インフレは過去の借金を減らす効果もあるが、過去の労働資産を減らすという効果もある。当然過去の労働資産がみるみる減っていく訳だから、経済は事実上のマイナス成長になる
こうなるから、100%取りと言うのはほぼ不可能な訳だ
過去の例を見れば分る通り、量的緩和のやり過ぎは、ハイパーインフレや通貨破綻を引き起こす
ではどうすればよかったのか
僕ならこうするというのはあるよ
でもそれはひとまず置いとこうか
では、どういった時に量的緩和をすべきか
潜在成長力があるだろうと予測できるか
低成長、低インフレ(デフレでもよい)の時である
勿論、将来的にはもっと精緻なラインが出るが、こういう時に潜在成長力が眠っていると判断できる訳だ
まず、これが総括の第一点
次に、君等は量的緩和のやり過ぎだ
本来量的緩和はリスクを孕んだものであり制限なく出来る物ではない
にも拘らず、目先のお金につられて量的緩和を力強くやるべきだと恐らく考えたろう。量的緩和をする方から言えばそんな意見は本当は邪魔で、初回だから見逃される意見にしかならない。結果そういう連中の声を聞いたが故に高インフレだ。高インフレで済んでいるのは、旗振り役がおり、世界同時であったという事のお陰だよ。単独国家でそうなってたら、売り浴びせの格好の標的で、ハイパーインフレや通貨破綻になってるさな
「成る程」
ではどうすればよかったか?
そもそも量的緩和策なんて物は10年もやるようなもんじゃない
経済的ヒエラルキーの下方に金撒いて、程よいインフレで抑えて、消費の多かった所に経済成長があるという所に目を付ける
肝入りの経済政策とかには金を回すのはありだが、株価吊り上げとかに使うようなもんじゃないさな。結局、株価の吊り上げなんかに利用すればマネーゲームが激化し、ラグ効果によるインフレは長期に及んでしまう物だ
これが今の状態さな
僕なら、様子見期間も含めて量的緩和は4~5年で終わらせてるよ
10年以上も使用するような政策ではない。特に今回のようなケースでは
そもそも、先に鉱山の例で示した通り、潜在経済成長力とは黒字の所を掘るという事で、徐々に経済成長力は小さくなる訳だからね
そもそも、経済的ヒエラルキーの下方にある程度金を撒けば、消費に使われ株価は勝手に上がった筈だがね。株式市場からトリクルダウンという形なんで、ラグ効果(インフレの長期化)が目に見えてる
今回のように、潜在経済成長率100%を越えて金を撒けば、インフレに苦しむ事にはなりはするだろう。それは過去の労働資産が減るという経済にとってはマイナスの効果な訳だが
まあ、ハイパーインフレも通貨破綻も起こらなかったので、いい勉強になったとは思うよ
高インフレはインフレ対策で何とかなるが
量的緩和の失敗部分は大いに反省すべきだ
次、量的緩和に手を出す時はこれらの点に留意すればいいよ
回数重ねる度に練度は上がるので、量的緩和をうまく使いこなせるようになるとは思うけどね
黒字の鉱脈を掘り尽くしてしまえば、いくら金があっても、赤字の事業しか出来ないって事
短いけど総括終わりかな
「ありがとうございました」
はい
「アーメン」
アーメン