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「自分の取扱説明書」とやらが、興味深い質問ばかりでおもしろい。


「自分の取扱説明書」というのを書いておられる記事をみかけた。

どうやら、もとを辿れば「みずのけいすけ」さんのこの記事がスタートらしい。(「みずのけいすけ」さんもまた、「爲末大」さんのXを参考にされているとのこと。)

この「自分の取扱説明書」の設問がおもしろい。

よくある「100の質問」とかって、面白そうだけど、「あなたの好きな動物は?」「ラッコ」みたいな、「だから何?」というような考えの深まらない質問が多いイメージがあって、いまいちやる気にならなかった。


ところが、この「みずのけいすけ」さんの「自分の取扱説明書」の設問は、どれもひとことでは答えられない。
考えたあとに、まだ続きがいくらでも考えられそうなくらい、自分のことを立ち止まって見つめ直したくなる。
深堀したくなるものばかりなのだ。

こんなの、「やってみたい」って思うにきまってる。


ということで、自分のことを知るべく、5つのジャンル、24の設問について、真剣に考えてみた。

「強み」

①息を吸うように「つい」やってしまうことは何か
→考え続けること。
答えもないことを悩みすぎて、うじうじ進めなくなるときもある。
あと書くことも。


②かけた労力に対して「意外に」他者から感謝されることは何か
→即席で絵を描いたり、ササッと図にあらわしたりすること。
一発書きの絵やイラストが重宝されたり、その場にあるもので簡単な工作をしたときもありがたがられる。職場や育児場面で活躍の場が多い。


③自己評価と他者評価で一番ずれているものは何か
→自分が意地悪で陰険だと思うときがあるけど、本当に長く付き合っていきたいと思う人からは、優しく素直で良心的だと言っていただける。
ありがたい。でも自己評価が低いのかな、と思い悩むこともある。


④どうしても克服できない弱点は何か
→目を見て話すことがどんどんできなくなってきている気がする。
あと、アクティブで人付き合いが活発な人たちの集まりに参加しなくてはならないとき、苦痛とストレスがどうしてもごまかせない。


「集団」

①大きな空間でどの位置に座りたがるか
→場合による。
興味があることなら、前方の右あたりにいたいし、興味がないことなら、後方のなるべく目立たないところにいたい。センターは嫌かも。



②心地よい会食の人数は何人か
→2名。多ければ多いほど無でいたいし、自分の必要性がわからないので早く帰りたい。


③楽しくなさそうにしている人が気になるか
→私自身がそうなんじゃないかと心配なので、ほかを気にしてる場合じゃない。


④誰かと話をしている時、後ろや横の話は聞こえているか
→聞こえない。たぶん、必死だから。


⑤自分のボスの癖を三つ説明できるか
→多分できない。
でも、人づてに「あの人は〇〇らしいよ」などと聞いたことなら、覚えておいて、説明できるかもしれない。


⑥カウンターに座るのと対面どちらが心地よいか
→カウンターの経験が少なすぎて、比較が難しい。夫ならカウンターでもいいかも。でも目が合わせられない人だと、対面は気まずい。


「コミュニケーション」

①自分の話の途中に割り込まれることは気になるか
→気になるかもしれないけど、それ以上に、自分が相手の話の途中に割り込んでいるんじゃないかと気が気じゃない。


②何かに没頭している時に話しかけられるとどの程度嫌か
→内心はストレスを感じるけど、表面には出せないので嫌な顔はせず対応できるはず。自然と我慢しているのだろうか。


③権力が上の人間と、下の人間と話をしている時自分の態度はどの程度変わるか
→権力?よりも、態度が威圧的な人には萎縮してしまうし、おおらかで話しやすい人には、こちらも心を開いてしまう。そういう意味では、人によって態度が違うかもしれない。


④子供と話すのは好きか
→1対1なら好き、だと思っていた。
どんどん自信がなくなっている。
子どもと話して、心が通じ合えたと思える瞬間は、かけがえのないもの。


⑤相手に対し通じる単語に置き換えることは頻繁にやるか
→やっているつもり。
仕事で求められることが多いので。
逆に、子どもたちに対して置き換えてくれない人の話を聞いていると、いたたまれない気持ちになる。


「欲」

①誰にも言えない欲しくてしょうがないものは何か
→自分の持つコンプレックスのない容姿。
ほんと、大声ではあまり言いたくない。
あと、体力。


②権力と影響力のどちらが欲しいか
→影響力、だろうか。「いっしょにしてすがすがしい」「のびのびできて、気持ちがいい」と思ってもらえるような影響力のある人を尊敬する。


③羨ましいと思う相手が持っているものは何か
→笑顔で、自信や活力にあふれる人。
「人」が好きで、コミュニケーションをとることが好きな人が羨ましい。


④欲しいと思った時素直に言えるかそれとも言えないかまたは言い換えるか
→言えないかも。超遠慮。


⑤何かをあげてお礼を言われなかった時どの程度いらいらするか
→どれくらい悩んだかによるけれど、言ってもらえなかったら「それを選んだ自分の落ち度」だと感じるかもしれない。


「テリトリー」

①自分のものが勝手に使われた時に気になるかならないか
→当たり前だけど、物によるし、相手による。親しい人ならあまり気にならないかも。


②浮気されたとき、恋人と浮気相手のどちらにより怒りを覚えるか
→恋人のことが好きだったら、浮気相手に怒りを覚えていると思い込むことで、「恋人はまだ私のことが好き」だと信じて、自分の心を守る。
恋人のことがたいして好きではなかったら、恋人に怒って別れる。


③たまにちゃんと生活できているか心配をする相手は何人ぐらいいるか
→家族などもかき集めれば10人くらい。
 ほんとうに度々心配する人は半分くらい。


④家に友人を招いたとき、友人が勝手に別の友人を連れてくることは許容できるかできないか
→ぜったいに無理。でもきっと言えない。だからその時間を苦痛で過ごす。
もちろん、事前に言ってくれていて、それが大丈夫そうな人だと感じたら、安心して過ごせるとおもう。


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おお・・・。
書き終えるまでに、30分もかからなかった。
なるべく、直感で答えたので、読んでいる人からすれば「こいつ・・・」と思うような回答もあったかもしれない。
でも、これがわたし。今のわたし。
また別の時期には、変わるだろうな。

この設問集には、一人の人間の複雑さが現れるものなので、書き終えると迷路ができあがるようになっているんですよね。

みずのけいすけ「爲末大さんの言うとおりに…」より引用


たしかに、「迷路」だ。
この設問ひとつひとつについて、さらに記事が書けそうなくらいだ。
でも、それがおもしろい。

わたしがこれを書いて感じたのは、わたしは「劣等感」が大きいということだ。


たとえば、「人とのコミュニケーションに積極的な人」に憧れていて、自分がそれをできないことを弱点だと感じていること。
あるいは、「目を見て話せない」ことを申し訳なく思うこと。
容姿にコンプレックスがあり、それがない見た目を欲していることが「恥ずかしい」と感じること。
自分が「我慢をする」のが当然の人間で、自分の特技や強みに納得がいっていないこと。

どれも、他者より自分が劣っていると感じているからこその回答になっている気がして、そのことがまた自分をすこし悲しい気持ちにさせた。

表面上では、どれだけ「これも自分だよ」と開き直って取り繕ってみるも。
やっぱり心のなかではずっと、「わたしなんて」という気持ちが渦巻いているのだ。



そしてそのスタートは、やっぱり子どもの頃にあるとおもう。

わたしの場合は、「母」だ。
「母」に認められたかった。

わたしが、一番「わたし」らしく過ごしている部分を、「母」に認めてほしかったけど、それが叶わなかった。
だから、自分が劣っている。
そう感じているような、気がする。

じゃあ「母が悪いのか」と言われたら、そうも言えない。
それについては、別のプログラムで学んだことなのだが、母もまた、自分自身がそうやって育てられてきたのだろう。

養育者は、自分が育てられてきた方法しか知らない。
そういう「子育ての説明書」しか持っていないからだ。
だから、なにも学ばず変わろうとしない養育者は、自分が受けてきた教育をそのまま我が子に施すことが多いという。
そう思うと、母もまた、祖母に「認めてもらえなかった」のかもしれない。
だから、母だけを責めるのもなにかちがう。



ぶつけようのない、複雑な気持ちだ。
でも、不快ではない。
むしろ、すがすがしい。

「みずのけいすけ」さんも、設問に答えてみたら「スッキリした」と書いておられるし、「爲末大」さんも「取説は自分を楽にする」とおっしゃっている。


自分のなかの何かを、言葉にできた喜び。
これまで気づかなかった自分を知って、形づくれた達成感。

そんな図太い感情が、どっしりと腹の下に居座っている気分だ。
「芯」が強くなった、そう感じた。


この取扱説明書で答えた内容は、もうすこしほかの記事で深堀してみようと思っている。
リンクする記憶があったり、仕事とつなげて考えてみたりもしたい。



自分を知っていくって、おもしろい。
それをこうして言葉にして、書いて残せる場があるなんて。

今日もまた、この出会いをくれたnoteに感謝。
そして、自分を見つめる機会をくださった「爲末大」さん、「みずのけいすけ」さんに感謝して。



(追記)
これ、夜中に勢いで書いたけど、朝見ると、さらけ出し具合に驚いた。夜のテンションで書いた方が勢いで書けるのか、夜だからつい暗くなるのか‥。これまた答えのないことを、延々悩みそうになった。

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