積み重なる時間
大きなキャベツを買ったが全く減らず、今週に入ってからいつか餃子を作って一気に消費してしまおうと企んでいた。
とある在宅勤務の日、仕事が早めに終えられたので、小2の娘も誘って餃子作りを開始。
包むところは何度か手伝ってもらったことがあるが、今回は「野菜のみじん切りからやってみる?」と誘ったら嬉しそうに快諾してくれた。
自分の母親は冷凍餃子一択の人だったが、自分で作ると同じコストでたくさん作れる、しかもヘルシーで美味しいと気がついてから、私自身はすっかり手作り派になった。テレビや雑誌で美味しい餃子の作り方を見聞きして、素人ながら研究してきた。宇都宮で何軒かはしごして、勉強したこともあった。
積み重ねたこだわりがいっぱい詰まっている餃子作りだけに、いざ娘に教えるにも言うことがたくさんある。子供相手とはいえ、夕飯に出すのでそれなりのものを作ってしまいたい。娘はまだ小2なので、基本的な包丁の持ち方やらから始まる。下の娘の保育園のお迎え時間も迫ってきたので、つきっきりとも行かず、自分がやってみせ、娘にバトンタッチしては、説明しながら隣の部屋に用事を済ませに行って、伝えたいポイントが多過ぎて移動中もひたすら喋り続け、戻ってきたらポイントチェックして次の工程に即座に移る。
仕事の後のゆっくりした親子時間を過ごすつもりが、仕事以上に頭フル回転、一端のレストランの厨房のような雰囲気のまま餃子作りは進んでいった。
あんまりしゃべる自分に驚いた。小慣れた自分の手つきにも。毎回、その日の夕飯に無事に美味しい餃子を出すことだけに必死だったけど、その全てを人に教えようとした時、いつの間にかその全部の餃子作りが私の中で折り重なって残っていることに気づいた。そういえば結婚9年目。
火を使う焼きの工程は、私1人がやったものの、娘合作の餃子を夕食に出せた。
悪くない味で娘も私も概ね満足。
ただちょっと味が薄いなと思っていたら、遅くに食べた夫の餃子から塩の塊が出てきたらしい。我が家の塩は天然塩にしていて塊だらけだからそれがそのまま紛れていたらしい。次の餃子の日はタネの混ぜ方を変えてみよう。
まだまだ我が家の餃子は進化していく。