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【アルツハイマー型オカンと「笑って暮らすぞ!」】その5 顔をあわせれば親子ゲンカ

初めての腰椎圧迫骨折を体験し、
認知症をほんの少しだけ発症しているオカンと
顔をあわせれば親子ゲンカの日々が始まりました。

モノの考え方が非常にネガティブで、
被害妄想が激しいオカン。

がらやんとは性格が異なり、
分かり合うことができずにケンカばかりしていました。

これも、普段ひとりですごしているオカンのストレスを増長させ、
認知症の症状を一歩すすめてしまう原因だったかもしれません。

被害妄想が強い性格

悪いことが起こっていると思い込み
常に強い怒りとストレスにさらされる

これは当然、脳に良くない影響を与えますよね。
脳に良くないことは、どんな病気にも良くないことだと思います。

全ての人に当てはまるわけではないかもしれませんが、
オカンの場合は強いストレスが認知症発症の可能性を高めたのでしょう。
さらに追い打ちをかけるように
オカンは、自分の子供が悩みをわかってくれない、
がらやんは、オカンが勝手に被害妄想を繰り広げている、
というお互いの歩み寄りの無さからくるケンカをして、
どんどん認知症に近づいていたのかもしれません。


オカンの被害妄想は一例を示しますと、
家に来るヘルパーさんがモノを盗んでいるようだ、
とか、
かばんには財布をいれておけない、目を離すと盗まれる、
とか。

また、いじわるなのか何なのか、
ヘルパーさんには掃除の便利グッズなどを
一切使わせていませんでした。

床の掃除は雑巾しか使ってはいけない、
なぜなら手を使って隅まで拭かないと、
ちゃんと汚れが取れないから、という理由でした。

そんなオカンの希望に沿ってしっかりと掃除してくれているのに、
私が行くたびにヘルパーの悪口を延々と語り、
アレがなくなった、コレがなくなった、と
文句ばっかり言うオカン。

でも、そのオカンが訴えてくる盗られたもの、は、
洗濯ばさみやら、ちょっとした和紙で作った小物などでした。

もちろん、オカンの被害妄想で、
冷静に考えれば、洗濯ばさみを盗んでまでほしい人は、
まあそんなにいるものではありません。
ですので、
「そんなもん、盗る人おらんで」というと、
あの人(ヘルパーさん)は何でも盗って帰るんや!
許したらアカン!
と、激高しだす始末。

休日に会いにきても、そんな話ばかりで、
がらやんは辟易しました。

さらに、ヘルパーさんに来てもらうお金がもったいないから、
もう断ってくれ、と言ってきたりもしました。

がらやん「誰が平日にオカンの面倒をみるん?」
オカン「全部自分でできる!」
がらやん「ひとりでできひんこと多いからヘルパー頼んでるんやー!」
と、言い合いになり、またケンカが始まる悪循環。

ひとりで出来ていないことがたくさんあるのだ、と
わからなくなっていることが、
認知症の始まりでもあったのですが、
とにかく腹立たしく思ってケンカばかりしていました。

そうかと思えば、仕事が忙しいがらやんが、
平日オカンの様子見にこれなかったり、
土曜日に仕事があって会えなかったりすると、
自分ばっかり遊んで!と、
怒りをあらわにして電話をかけてきたりしました。

今なら笑ってやり過ごせますが、
仕事でへとへとになっているがらやんをみて、
そんな思いやりのない言葉をかけてくることが信じられず、
ぶつけてきた怒りを全力で打ち返すように、
オカンに対して怒りを爆発させたりしていました。


その4で書きました記事と同様に、

高齢で慣れない土地でのひとり暮らしをしているオカンに、
こんなに怒ったりしなくても良かったな、と
あの頃のオカンへの対応の仕方に
今ちょっと後悔しているがらやんです。

もっと寄り添ってあげていたら
認知症はひどくならなかったかも、
今頃、介護離職せず仕事続けていられたかも、
と考えることがよくあります。
しかし、なってしまったものを悔やんでも前には進めません。
がらやんは、前に前に進んでいきます。


次回は、親子ゲンカを続ける中、またオカンが転倒して、
今度は大腿骨転子部骨折をしてしまうお話です。
ひとり暮らしで段差のある家は危険だらけ。
その6もお楽しみに!


#アルツハイマー型認知症 #認知症 #在宅介護


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