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春が…。 【詩】【ポエム】㊲


もうすぐ 春が来るんだって

君のいない春なんて

意味がないのにね


君がいた事実が  過去のものになるのが

恐ろしくて…


お願いだから 違う世界へ行かないで


体は小さくても 存在は大きい

似ているコは居ても 同じコはいないよ

また 会いたいよ


去年 君と見た 桜の木には

野鳥がまって かわいらしく尻尾を振っているよ


【後記】

うちには、ホーランドロップイヤーという種類の、れ耳うさぎさんが住んでいました。

11年住んで、お月様にかえりました。

この詩は、その時の気持ちを綴ったものです。


うさぎさんというのは、仲間に危険を知らせる時、後ろ足を「ダンッ!」と強く踏み鳴らすそうです。

うさぎ飼いさんの間では、その事を「足ダン」と呼んだりします。

うちのコは 、走り寄ってきては「こっち向いて!」と言いたげに、よく足を踏み鳴らしていました。


あの日。

動かなくなったコの名前を呼んでしばらくした頃、キッチンで「パシッ、パシッ」と、壁や天井を叩くような音がしました。

何もありません。

あの時、うちのコは、違う世界へ行くはざまで、足ダンをしていたのかな、と今になって思います。

🌸




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