後回しにしちゃいけない体制づくり

こんにちは、ローズ青木です。「フラワービジネス2.0」という花業界専門オンラインサロンを運営したり、「Stamps」という花屋さんを中心とした店舗ビジネス向け固定客化ツールの販売をしたり、地元長野限定のローカルモデルをやったりしています。

※TOP画像と記事の内容は全く関係ありません。自分が絵を描けないので尊敬の念を込めて素敵だなと思ったものをチョイスさせていただきました。

後継者問題の捉え方

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いわゆる「職人」と呼ばれるお仕事をされている業界でよく聞くのが「後継者不足」。それ故、代々受け継がれてきた伝統技術を継承できない危機に直面している。こんな話はよく聞きます。

これは花の業界でも同じ。「◯◯生花店」という花屋は代々家業として受け継がれてきたが、子供世代が「花屋にはなりたくない」もしくは「受け継がせたくない」という理由で店を閉める。これは本当によく聞くようになってきました。

自分はこの問題は、「時代のせいにしちゃいけない」問題だと思っています。とかく、この問題に直面している人の口からよく聞く言葉として、以下のようなものがあります。

「このご時世・・」「これからの世の中・・」「花屋って・・」

全てそれをネガなワードとして使っています。
「これらの状況があるから、店じまいすることが最善なんだ。」とさえ聞こえる発言です。

確かに、その状況になってしまったらもう手の打ちようがなく、そうするしかないのかもしれませんが、そうなる前に手を打てなかったのでしょうか?持論として以前から話しているのですが、花屋の価値って「街づくりへの貢献」という側面もあると思っています。

「◯◯駅からちょっと歩いたとこにある△△flowerって花屋さん、超映えるんだけど〜今度行ってみない?」

魅力的な花屋さんはこんな会話を生み出しています。そして行動を誘発しています。消費を生んでいます。そして、その街の魅力の一部となり、その町全体の活性化へ貢献している。そう捉えています。

となるとやはり「閉店」というのは残念だな。と感じてしまうのが正直なところです。その決断をしなきゃいけなくなる前に手を打てなかったのか?打てたとすれば何故それをしなかったのか?気になるところです。

結論、願望がない

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いきなり結論言っちゃいましたが、つまるところ「後継者を育てる願望がなかった」ということでしょう。学んでいる選択理論心理学の観点から見てもそう思わざるを得ません。選択理論心理学では、「人は誰しもが必ず5つの基本的欲求というものを持っていて、それを満たすと思われるイメージ写真(上質世界)にあるものを求めて最善の行動を選択している」と言われています。つまり、「後継者を育てる」ことがその人の上質世界にはなかった=願望にはなかった。ということです。
(これは良い悪いの話ではなく、あくまでその人の願望の話です)

比較的「職人気質」と言われる職業の方には、この傾向があるのではないかと思っています。「技術の追求」こそがやっぱりその職業の本質だし、お客様にもそれを求められているわけだから、その追究に時間を割くのは至極当然だと思います。

花屋さんも然り。その本質は技術職であり、花材といわれるお花をどう束ねたら綺麗に映るか?色の組み合わせは?どのお花とどのお花の相性がよいか?茎の太さはどんな影響があるか?それらを常に考えて「花束」「アレンジメント」「空間装飾」といった作品にその思考を集約させていくのです。ここを怠ったら、その職業の本質が薄れていきます。それがわかっているからそこに時間とお金を投資するわけです。そして、それが「願望」になっていくわけです。

生産力があるうちに

しかし、その姿勢を貫いた結果が「後継者不足」「閉店」という末路を辿るのであれば、「なんて不条理なんだ!」って思いませんか?
(不条理の使い方あってるかな汗)

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例えば、現役バリバリで月商1,000万円稼ぐ花屋さんがいたとします。人員体制としては、技術を持っているのは自分だけで他はアシスタントとして業務をサポートするスタッフがいるだけ。しかし、年齢とともに体力も低下。徐々に疲れも溜まりやすくなったり身体にガタがくるようにもなってきました。その結果、月商は500万円に下がりました。でも、十分食べていけるし「生涯現役」で好きなこの仕事に携わっていたいから、そのまま仕事を続け、体力の限界を感じた70歳で引退し店も閉めることになりました。

という花屋さんがいたとします。でも、この花屋さんが次のような思考を持っていたとしたら、どうなっていたでしょうか?

A)
現役バリバリで月商1,000万円稼いでいる今は順調。この仕事が好きだからやれるところまでは自分がバリバリ働いて稼ごう!
が、◯年後・・年齢とともに体力も低下、それに伴い売上も月商500万円に。さすがにこればやばい!後継者育てなきゃ汗
ということに気づき、そこから自分は後継者育成に完全に軸足を置く。育成に舵を切ったことで自分が現場にいないことが増え売上も月商400万円(2割減)に減少。。。しかし、なんとか信頼できるスタッフを1名育てることができ、70歳を迎えて自分は引退するけど、この店をスタッフに継承して無事お店は営業を続けることができました。めでたしめでたし!

事業継承として素晴らしい!と思います。先を見越してその一手を早い段階で打つことができた。それによってお店を継続することもできた!
では、もう1歩踏み込んで、この花屋さんが次のように考えることができていたらどうでしょう?

B)
現役バリバリで月商1,000万円稼いでいる今は順調。この仕事が好きだからやれるところまでは自分がバリバリ働いて稼ごう!と思いたいところだが、体力の低下もあるし早い段階で後継者を育てておかないとお店が存続できなくなるから、今のうちに育成に軸足を置こう。
ということに気づき、そこから自分は後継者育成に完全に軸足を置く。育成に舵を切ったことで自分が現場にいないことが増え売上も月商800万円(2割減)に減少。。。しかし、なんとか信頼できるスタッフを1名育てることができ、70歳を迎えて自分は引退するけど、この店をスタッフに継承して無事お店は営業を続けることができました。めでたしめでたし!

後継者にとってもリスクが少ない

お分かりいただいたと思いますが、AパターンとBパターン。言うまでもなくBパターン、つまり早い段階で手を打った方が良いのは明白ですよね?

同じ「2割減」でも減った結果残る売上が、「500万円と800万円」ですから、その差300万円。だったら当然800万円に減るであろう段階で手を打った方がリスクが少ないわけです。

それが後回しになればなるほど、リスクが高くなっていくというのは数字が物語っています。その結果行き着く先は「閉店」かもしれません。

「頭ではわかってるは、そんなこと!」

と言われるかもしれません。恐らくその方が迫られる決断というのは「生涯現役」か「経営者」。どちらの道を選択するのか?

ということだと思います。
いずれにせよ、そんな花屋さんのサポートを徹底的にしたいと思っているローズ青木でした。


それでは皆様、バラ色の日々を🌹

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