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働くということ。


あなたは働いていて楽しいですか?
もしベーシックインカムが支給され生活が保証されても、その仕事を続けますか?
出勤日の朝、同僚や上司と「会いたい」と思いますか?


この中のどれかひとつでもイエスと答えられたなら、私はあなたを羨ましく思う。(それだけかい笑) 個人的に、今まで正社員として働いた経験では、楽しさや遣り甲斐よりも苦しさの方が強かった。ネットで求人情報を探していると、体験談で「遣り甲斐を感じられる仕事でーー」とか「ーーに手応えを感じていました」といった表現が出てくるが、正直言ってその感覚がよく分からない。

原因はきっと、「自分にしかできない仕事」が出来てなかったからだろうなと思う。周囲に認められ、十分な見返りを頂けるまで突き抜けた人は、仕事に手応えを感じるんだろう。マーケットバリューが高い人ほど、仕事好きで常にアイディアを練っている印象がある。


そんな私でも、働いていて楽しかった思い出が二つある。
ただ、どちらもアルバイトだ。

一つは、学生時代から度々やっていた旅館やホテルの住み込みアルバイト。交通費補助でリゾート地に行く事ができ、近辺を観光できるという嬉しいオマケつきだ。一緒に働くアルバイト達は、私と同じように海外に興味があるワーホリ経験者や、留学準備中の子が多く、面白い出会いがたくさんあった。時給も学生にしては高めで、勤務時間も長いので、短期間でまとまったお金を得ることができた。


もう一つは、ツアーデスクでの通訳・翻訳だ。
海外からのメールを返信したり、受付で対応をしたり、パンフレットや館内に貼るお知らせを翻訳・作成したりしていた。外国人のお客様が団体で来られる時は、通訳として同行した。ガイドのほとんどは学生さんで、いつもワイワイと楽しかったし、活気に溢れた職場だった。地元(ど田舎)だったので、街に出てくる時に辞めてしまったけれど、今でもその時の友人とはたまに連絡を取り合う。


こうやって見てみると、私が好きな職場は「国際色豊か」「仲間と助け合いながら働ける」という共通点があるらしい。



    *   *   *



学生時代お世話になった師匠は、「アルバイトはするな」と声高に仰っていた。「アルバイトは、ただの時間の切り売りだ。それでお金を貰ってしまうと、仕事が出来ると勘違いしてしまう。仕事とはそういうものではない。自分だけが出せるエネルギーで人の役に立った時に、頂けるものを受け止めるんだ。」随分と昔のことなのでうろ覚えだが、確かこういった内容だった。

時間の切り売りが仕事ではないと定義すると、独立してフリーランスや社長として働くことがその対極に位置するような気がする。自分だけが提供できる何かがそこにあるはずだからだ。「あなたは何ができますか?」の質問に、相手の目をまっすぐ見つめて答えられる人たち。


「あなたは何ができますか?」


私は、今日もカラッポな空をあおぐ。
この両手は何も捕らえていないように感じるけれど、自分という商品を売っていかなきゃならない。

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