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新科目「情報Ⅰ」詳説-第二章 コミュニケーションと情報デザイン:大学入学共通テスト新教科「情報」を知る5

今回は、2022年度の学習指導要領における新科目「情報Ⅰ」の中の「第二章 コミュニケーションと情報デザイン」について、その内容や現行科目である「情報の科学」・「社会と情報」からの主な変更点を確認していきます。

この章の最も大きな改定は、「情報デザイン」をテーマとして取り上げたことです。

現行の「情報の科学」・「社会と情報」の学習指導要領にはそもそも「情報デザイン」という項目はありません。コミュニケーションについては「情報通信ネットワークとコミュニケーション」という形でネットワークと紐付けて学習する形になっています。

(専門学科の情報科の学習指導要領には「情報デザイン」の項目があります。)

そのため、現行の学習指導要領のコミュニケーションの項目では、通信手段ごとの特徴を踏まえて受信・発信時にどのような点に配慮すべきかを理解することに主眼が置かれています。

一方、新しい学習指導要領の「コミュニケーションと情報デザイン」ではメディアごとの特性を踏まえた上で情報デザインの考え方(※1)に基づいて表現すること、更に評価・改善する能力まで求めています。

また、扱う内容についても「情報を抽象化する方法としてアイコン,ピクトグラム,ダイヤグラム,地図のモデル化など,情報を可視化する方法として表,図解,グラフなど,情報を構造化する方法として,文字の配置,ページレイアウト,Web サイトの階層構造,ハイパーリンク などを扱うこと」と具体的に踏み込んで言及していることも注目すべき点です。

実際の授業内容としては、

・場面毎にどのようなデザインが適しているのかを考えさせる

・見やすいと感じるwebサイトと見にくいと感じるwebサイトの違いを見つける

・webページを作成し、生徒同士で改善点を指摘しあってブラッシュアップしていく

など、生徒自身が具体的に問題発見・解決を経験できるような授業内容が想定されます。

※1 【情報編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説では情報デザインを「効果的なコミュニケーションや問題解決のために, 情報を整理したり,目的や意図を持った情報を受け手に対して分かりやすく伝達したり, 操作性を高めたりするためのデザインの基礎知識や表現方法及びその技術」としています。


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