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秋はもう来ている

先月、祖父の十三回忌が行われた。
お香をあげ、お経を合唱した後、お坊さんの法話(説法)を聞く中である一つの話に深く感銘を受けた。

それは「秋はもう来ている」という話だ。

”秋はいつ来ていると思いますか? 少し肌寒さを感じ始めたときですか? 虫の音が弱くなり始めたときですか? 葉の色が緑から黄色、赤茶色、そして散っていくときですか? 違います。秋は常に、もう来ているんです。”
”私たち人間は、目に見えているものの「結果」からしか感じられてない。ただ、自然の移ろい、流れというのは今この瞬間もある。秋が来たと私たちが感じる以前からとっくに来ているんです。その「過程」に目を向けてみるともっと見えてくるものが広がります。人生も一緒なのです。”

これを聞いて自分の中で強く再確認できた部分が「結果<過程」の考え方だった。
特に現代人は「結果」ばかりに執着してないだろうか。
社会に出た瞬間に目先の数字を追い求め、「目的のためなら手段を選んではいけない」という一種の強迫観念に駆られて行動してないだろうか。

葉が色づいた時に秋が来ただの、肌寒くなってきたから夏が去っただの、結果だけを通じて感じることしか出来ない受動的な人間になってしまっていないだろうか。
もっと日々の流れ、細部を意識し、過程にこだわることは出来ないだろうか。
過程にこだわることで最終的に結果に向き合う際の見方(選択肢)も増えるのではないだろうか。

そんなことを考えながら説法を終えた。

秋はもう来ている。
その言葉を脳裏に焼き付け、寺を出た。
色づく木々をみつめ、色なき風を感じながら。

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また、ハイキューの北信介の言葉で心に響いたものを紹介しておきたい。
これも一種の過程を大事にした言葉かと

結果より仮定が大事と大人が言うて
子供はいまいち納得せん
でも俺は大人に大賛成や
俺を構築すんのは毎日の行動であって
結果は副産物にすぎん



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