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なぜ、「ジョーシス式ITガバナンス」の連載を始めるのか
ジョーシスは、2022年のプロダクトリリース以来、企業の情報システム部門が抱えるITデバイスやSaaS(SaaS=Software as a Service)管理などのノンコア業務を効率化するプラットフォームを提供しています。
ただ、ジョーシスが目指す世界観は、ここにとどまりません。日本企業がITガバナンス体制を構築することを通じてリスク管理能力を向上させると同時に、「攻め」にも強い組織となり、国内外のビジネスで成功を収め続けていくことを願っています。
今、ビジネスを取り巻く環境が大きく変化し、デジタル化がカギであることは論を待ちません。ただ、デジタル化はビジネスを成長させ、成功に導くための手段であり、目的ではありません。デジタル化を通じて経営資源の効率化を推し進め、ノンコア業務へ投下されてきたコストを削減し、真に重要な経営課題の対応にリソースを割くべき時代を迎えています。
いわゆる「2025年の崖」問題への対策も控えています。日本のIT投資は遅れており、2025年までに旧来型のシステムを刷新しなければ、5年間で最大12兆円の損失が発生するという問題です。日本のIT関連の投資額とIT生産性は、国際比較で低い水準が続いていました。
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「2025年の崖」問題の危機感や、コロナ禍を背景としたリモートワークの普及を受けて、2024年は企業のIT投資意欲が高まっていると報じられ、意識の変革が起きつつあります。
今後、「2025年の崖」の克服に向けて、さらなる対策が必要なことは確かです。デジタル化の推進が叫ばれ、DXという言葉は一般化し、企業は急速に様々なIT デバイスやクラウド等SaaSサービスの導入を進めようとしています。
一方で、管理すべきデバイスやサービスが増えれば、管理漏れによるリスクも高まると考えられ、相応のセキュリティ対策をとる必要にも迫られてます。
さらに、グローバルな経営環境においてもITガバナンスの重要性は高まっています。とりわけ、地政学リスクの高まりを背景として日本も巻き込まれる形でのデジタルサプライチェーンの再編や、サイバー攻撃のリスク上昇といった課題に対しては、各企業に部署や関連会社、海外拠点、パートナー企業といった横断的な協業も求められ、複雑性が増しています。
リスクへの備えは、現状を把握すること、つまり、自分たちがどのようなデバイスやサービスを活用し、それぞれが抱えるサイバーリスクを可視化することが重要です。
今後、ビジネス環境・社会情勢・地政学的環境が絡み合い、様々な機会が生まれる一方で、適切なリスク管理をしていくという難しい経営判断が求められています。いわゆる、VUCA時代において、企業はどのようなITガバナンス上の対策をとっていくべきでしょうか。(V=Volatility/変化、U=Uncertain不確実、C=Complexity、A=Ambiguity/曖昧・両義性)
新しい課題であり、様々な要素が絡み合うため、確立した対策方法はまだありません。 過去の経験則は通じず、「最適解」を導き出すことは容易ではありません。
そうしたなか、この「ジョーシス式ITガバナンス」では国内外の政策・経済・社会のトレンドを踏まえて、ITガバナンスのあり方を示唆する記事を配信していきます。
読者の皆さまのビジネスの一助となれば幸いです。
お問い合わせ note@josys.com
ジョーシスについて https://jp.josys.com/
執筆者:川端隆史 ジョーシス株式会社 シニアエコノミスト
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