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「わかる」ための5つのヒント

「わかる」ための5つのヒント


子どもが「わかった」と思う瞬間を見るのは、うれしいですよね。

子どもが「わかる」授業のためのヒントを5つ紹介しましょう。
やってみると、指導者のあなた自身が「わかる授業のやり方がわかった!」と思うことでしょう。

「わかる」ための5つのヒントは、

1)知る
2)くらべる
3)予想する
4)説明する
5)教えない


です。
一つずつ解説します。

1)知る

 わかるとは、もともと頭の中に持っている知識と結びつく時に起こります。
 やってみて「こういうことかと知る」ことでわかるようになります。

 例えば、外食。
 小さい時から連れて行ってもらっているファミリーレストランなら、一人で入って食べることができます。
 注文の仕方から、料理が出てきて、レジでお金を払うことを知っているからです。

 ところが、牛丼屋さんは家族で行ったことがないと、どうしてよいかわかりません。
 食券を買うお店もあれば、店員さんに直接言うお店もあります。
 しかし、行ってみて、やってみて、やり方を知れば、わかります。
 わかれば自信がついて、一人でも出かけて行くことができるでしょう。

2)くらべる

 わかるためには、比べることが有効です。

 例えば、「多い」という状態は、「少ない」ものとくらべることでわかります。
 運動会の玉入れは、紅白の玉の数をくらべることで、「多い」方が勝ちとわかります。
 くらべて見て、多いことがわかると、単純にうれしいですよね。

3)予想する

 結果を予想すると、わかることがあります。

 例えば、「どっちが速いかな?」と、予想して「よーい、ドン」と走ると、「速い」がわかります。
 「どっちのケーキが大きいかな?」と予想して、はかりで重さを測ると、「重さと量」や「重さの単位(g)」「数の大小」がわかります。
 予想するためには、観点と基準が必要です。「わかる」とは、「分ける」です。
 予想するために観点を決め、他のものと区別して焦点を当てます。
 わかるためには、他のものと「分ける」観点が必要なのです。
 予測すると、観点に注目し、わかることができます。

4)説明する

 わからないことは、説明できません。
 しかし、逆説的ですが、わからないことを説明しようとすると、わかることがあります。

 相手に説明するためには、きちんと調べなければいけません。
 今まで、なんとなく見たり聞いたりしていたことも、相手が分かるように説明するには、よくわかっていなければいけません。

 説明するために相手を意識することで、わかることがわかります。

5)教えない

 分かるためのヒントの5つ目は、「教えない」です。

 わからないことは、教えないとわからない、と思っていませんか?

 上の4つのヒントは全て「教えない」ことでわかる方法です。

 知るために、やってみて気づかせる。
 くらべることで、違いに気づく。
 予想することで、観点に気づく。
 説明するために、わからないことに気づく。

 実は、わかるためには、教えることではなく、気づかせることが大切なのです。

 教えるのではなく、気づかせる指導が「わかる」授業のキモです。

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