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教師の心得 第2条 見るだけではなく観察する

シャーロックホームズは、
相棒ワトソン博士に次のように言いました。

“You see, but you do not observe. The distinction is clear.”
「君は見ている、でも観察していない。その違いは明らかだ」

私たち指導者にとっても
見ていることと観察することは違います。

観察とは、観点を決めて見ることです。

例えば、写真のように調理の場面です。

できて当たり前と思って見ていると、
指導に必要な情報を観察することはできません。
観察することで、
「わかること」と「わからないこと」がわかります。

例えば、
三角巾がひとりで結べるか
エプロンのひもを後ろ手で結べるか
はしが使えるか
片手でボールを保持していられるか
1対1対応ができているか
左右の位置関係を理解しているか
作業の意味、目的を理解して取り組んでいるか
続けて1つの作業に取り組めるか
長い時間たっていられるか
家庭科でおこなっているのか
何人グループの活動か
指導者の体制は
作業の終了を報告できるか
わからないことを質問できるか
どこまで判断できるか
材料、道具の名前がわかるか
速い、遅いを意識できるか
効率のよい作業の仕方を工夫できるか
数がわかるか
いくつまでわかるか
見てわかるか
集合数としてわかるか
…など

一つの場面だけでも、これだけの観点が挙げられます。

全てが指導に必要なわけではありません。
この観点から
課題、目標、支援の手立てを考えていきます。

小学部から高校生まで、
調理の課題が同じということはありません。
表面的に同じように見える活動をしていても、
目に見えない課題は異なります。

「星の王子さま」に出てくるキツネも
次のように言っています。

「大切なことは目に見えないんだよ」

目に見えないことを観察する力を磨いていきましょう。

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