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横に広げると、発達する

 「発達」と聞くと、上に積み重ねていくイメージですよね。

 でも、特別支援教育では、上だけではなく、横に広げることも発達と考えます。

 新しいことができるようになる、難しいことができるようになる、わかることが増えた…など

 「横の発達」とは、質的な変化は見られなくても、関連する量が増えて結果的にその質が向上することです。

 例えば、「書くもの」と聞いて、何を思い浮かべますか?
「鉛筆」だけしか思い浮かべていなかった子どもが、「色鉛筆」や「クレヨン」「油性ペン」も「書くもの」として思い浮かべることができるようになれば、「書くもの」という用途の理解が広がったということです。

 また、「横の発達」を考えるとき、その対象となるものと子どもとの距離を、時間軸と空間軸で見ることができます。

 「時間軸」とは、過去ー現在ー未来の数直線上の位置であり、現在からの距離で考えることができます。日課で、「次は何の時間かな?」と思い浮かべるとき、時間的には「今」から「近い」と言えます。
しかし、「昨日」や「先週の月曜日」、「去年の10月」となると、時間的な距離は「今」から「遠い」ものになります。「遠い」と、思い出すことも、時間を示す言葉の意味の理解も難しくなります。

 また、「空間軸」とは、「家庭ー学校ー地域ー社会」のように、子どもを取り巻く「環境との距離」と考えることができます。
 家や学校は子どもに身近な環境ですが、修学旅行先の県外や世界の国のこととなると、物理的な距離も遠くなり、経験もないことから、思い浮かべることが難しくなります。

 このように「時間軸」と「空間軸」で理解を広げることが、「横の発達」を促すことになります。

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