【Zatsu】闇深な自販機7
正月明けの最初の一大イベント「成人式」もおわりましたね。今年は意外とアッサリだったんじゃない? 報道各社の皆さんは例年どおり北九州や沖縄にカメラマンを送り込み、派手な絵面の2、3枚でも撮ってきて悪ノリする気満々だったけれど、世の中のほうがもっと動きが速いというか、飽きちゃったのかな、髪を七色に染めた新成人とかいたけれど、あまり興味関心を持たなくなったね。もっとも、そんな彼でも「あしたからマジメになります」なんて宣言するわけです(説得力あるかどうかはともかく)。一歩ずつでも前に進んで、成長していくんですよ。
にもかかわらず、まったく変わらないものがある。否、まったく変わらない自販機がある。
2022.10.19(Before)
2022.10.31
2022.11.20
2022.11.25
2022.12.01
2022.12.24
2023.01.05
ただ、ひとつわかったことがある。
この自販機のオーナーさんはファンの求めているものがイマイチわかっていないんだ。気持ちに応えようという意欲はある。だから、ほうじ茶ラテなんて新商品を、いきなり60円で突っ込んだりして、みんなを笑わせようとしてくれている。
でもね。
「ちがう……ちがうんだ」
緑茶が消えて、代わりにほうじ茶を追加とか、そういうことじゃないんだよ。「おでんや印あっちゃん」の看板を掲げているうえに、もう季節も冬だとなれば、ホットドリンクに切り替えるって選択肢があるじゃない。
「あったか~い」がでるでしょ、フツー。
いまは「つめた~い」しか置いてないじゃない。
あと、かつての伝説の「なにがでるかわからない謎ボタン」の復活を希求しているね。ファンは待っている。でも、なんでオーナーさんはそういう発想に思い至らないんだろう。ちくしょー!
そのとき、どこからか声が聞こえた。
「じゃあどうする?」
――え?
「また文句を言って終わりか?」
――だ、だっておれは……
「オマエはいつもそうだな。まったく、しょせんは傷つきたくない弱虫の戯言さ。自分の想いを告げもせず、現状を憂う自分に酔うばかり」
――ち、ちがう……
「伝えろよ、自分の言葉で。お前の想いは、その程度だったのかよッ!」
「オーケイ、わかったよ」大きなため息ひとつ。
「そうだな、行動しなきゃ何も変わらない。だったら、変えてやるまでさ」
そしてうつむいたままゆっくり立ち上がると、おれはペンを執った。
「まだ間に合うかって? 当然さ、まだ始まってもいねぇよ」
2023.01.14
賽は投げられた。もうおれの後ろに道はないんだ。
果たして反応はあるのか、おまかせは追加されるのか、待て次号!😋