『我慢強い子ども』の育成のしかた(サッカー指導+アドラー心理学)※小学生向け

こんばんは、ジョゼ佐藤です。
今回は『我慢強い子ども』の育成のしかたのお話です。5分ほどで読める内容です。

よろしくお願いいたします。

子どもを『我慢強い子ども』にするには、どのように指導をしたらそのような子どもになるか、ご存知ですか?
例えばですが、子どもに『我慢強くなれ!』『我慢しろ!!』などと我慢を強いれば我慢強い子どもになると思いますか?

どうでしょうね。
その方法では『我慢強い子ども』は育たないとは思いませんが、私はそれよりも先にやったほうがいい方法があるように思います。

また、子どもが中学生や高校生になって、より厳しい試練を課されるような場面に直面したときに、『我慢強さ』を求められることがあるかと思います。そんな場面で『我慢強さ』を発揮できるようになるには、小学生の頃からどんなトレーニングをしていけばよいのでしょうか。

では子どもに対してどのようにアプローチをしたら『我慢強い子ども』になるのか、アドラー心理学の考え方を用いて話してみようと思います。

有名な心理学のテスト『マシュマロテスト』

1960年代のアメリカで、『マシュマロテスト』という有名な心理学のテストが行われました。4歳の子どもにマシュマロを見せて、

「このマシュマロを食べてもいいよ。でも、先生がこの部屋から出て、帰ってくるまでの15分の間にマシュマロを食べないで我慢をすることができたら、マシュマロを2コあげますよ」

と伝えて子どもを部屋の中で一人になってもらいます。
その一部始終の子どもの様子を観察した結果、約7割の子どもが我慢をできなくてマシュマロを食べてしまいましたが、約3割の子どもはマシュマロを食べるのを我慢できたそうです。

(ここで質問をしてしまいますが。貴方のお子さんが同じような状況になった場合、マシュマロを食べるのを我慢できると思いますか?)

さらに、そのマシュマロテストから15年以上が経ってから追跡の調査をしたところ、マシュマロテストで我慢のできた子どもたちは大学進学の適性検査の成績が良かったそうなのです。

このことは、

“強い自制心を持つ人は学習能力も高い”

ということを現しています。
そのため、子どもには強い自制心が持てる、我慢強い子どもにするトレーニングを積ませたほうが、将来何かで活躍のできる子どもになるためには有効だとも考えられます。

では、『我慢強い子ども』にするには、どんなトレーニングをすればいいの!?

それでは、『我慢強い子ども』にするには、どんなトレーニングをすればいいのでしょうか。
なにか、専門的な知識でもって専門的なトレーニングをする必要があるのでしょうか?
そしてその際には、子どもに「我慢しろ!!」などと厳しく指導をする必要があるのでしょうか?

“子どもはただでさえ学校や習い事のことで忙しいのに、さらに『忍耐力のトレーニング』なんてできるのでしょうか?”

なんてご意見もいただきそうですが……

いやいや、ご心配なくです。
『我慢強さ』のための初歩的なトレーニングのしかたは至って簡単な方法で、専門的な知識も必要とせずに行うことができます。

その一つが、

“子どもと簡単な約束をし、待ってもらう”

ということです。
例えばですが、子どもがなにかを話したくて、「ねぇねぇ、あのね♪」と話しかけてきたとします。それに対して大人は自分に余裕があれば話を聞くことができますが、忙しかったり、なにかの用事を行っている時にはゆっくり子どもの話を聞けなくて、ついつい「忙しいから後にしてね!」「あとでね」などと返事をして子どもからの話を遮断してしまいます。

そして大人の態度がそれだけでは、子どもは「話したい!」という気持ちを遮断もされるし、誰かに自分の思いを話すことで自分の気持ちの整理もできませんし、信頼していた大人への『不信感』も生まれてしまいます。

これではせっかくの子どもの成長の機会も台無しですよね……悲

子どもの成長を心から願う大人としましては、こんな機会損失をなんとしてでも防ぎたいですよね……

しかしです。

だからと言って、「忙しいから後にしてね!」とか「あとでね」などと子どもの話を遮断することは、悪いことでもないのです。

(忙しいのは事実なのですから、これも仕方ないことですよね)

では、子どもの「話したい!」に対してどのように対応をすればよいのでしょうか。

「あとで聞くね」は問題ない

大人が忙しいのは仕方ないのですから、「あとで聞くね」と話を遮断するのは問題ありません。大事なことは、「あとで聞くね」と子どもと約束したことを後で必ず守って、

「話をするのを待っていてくれてありがとう」

(と感謝の気持ちを述べた上で)

「さっき話しかけてくれた話、どんな話だったの!?」

などと大人のほうから子どもに話しかけて、先ほど子どもとした約束を必ず守ることです。すると子どもは、先ほどの「話したい!」という気持ちをしばらくの時間『待つ』ことで我慢をすることができたのです。

そうです。
『待つ』ことができたということは『我慢をする』ということができたのです。
これが、子どもが『我慢強い子ども』になっていくための、まず最初にできる簡単なトレーニングなのです。

子どもの『待つ』は『我慢できる』と同じこと

このように、子どもは大人と約束をし(誰かと約束をし)、待たされることで、『我慢する』ということのトレーニングができているのです。
そしてこういった、些細な場合でも、

“『待つ』=『我慢する』”

ということのトレーニングの積み重ねが、大人になってからの『我慢強い人』という人間に成長していくプロセスとなるのです。

『我慢をさせる』ことで気をつけたいポイント

ただし、このトレーニングには気をつけたい重要なポイントがあります。それは、

“大人が子どもとした約束を破らない”

ということです。
大人が子どもとの約束を破ると、子どもは我慢強い子どもにならないだけでなく、その大人に対する信頼感も失うことになります。
たとえその約束をしてから時間がかかってしまっても、「この前は忙しくて話を聞けずにごめんね。この前の話を是非聞かせてください」などと大人のほうからフォローを入れてから話を促すようにしてみてください。

『待てる子ども』は、なにかにつけて必ず伸びます

これは私の経験観測ですが、『待てる子ども』は、最初は運動や勉強の能力が高くなくても、持ち前の『我慢強さ』により、少しずつコツコツと努力を重ねることができるので、中学→高校と進むに連れて自分の能力をメキメキと伸ばしていくことができるように思います。

ですので、現状の子どもの能力が多少劣っているように見えても、『待てる子ども』『我慢のできる子ども』になれているか、そのためのトレーニングができているかにも、着目されてみてはいかがでしょうか。

「待ってくれてありがとう」のフォローも忘れずに

子どもは『待つ』ということができることで『我慢する』という力が備わっていきますが、この能力がより確実に、子どもの意識の中に残るためにも、子どもが『待つ』ことができたら、まずは、

「待ってくれてありがとう」

の感謝の気持ちを述べてみてはいかがでしょうか。これにより、子どもの心の中に「待っていてよかった」などと、自分に自信がつき、自分自身の価値をより高めてくれると思います。

「待ってくれてありがとう」
「あなたが待ってくれたおかげで私は楽しく話ができたわ」

こういった感謝のコメントも付け加えてみましょう。子どもの自信や能力が確実に上がること間違いなしです。

終わりに

貴方のお子さんが今よりも『我慢強い子ども』になって、自分の能力を最大限に発揮して活躍されていくことを、私は応援しています。お子さんが大人になって、仕事や人生において様々な困難に立ち向かうときに、子どもの頃に手に入れた『我慢強さ』は必ず役に立つ武器になるだろうと、私は考えています。そんな貴方のお子さんが活躍をされていたら、何より嬉しいです。

このたびはご清聴誠にありがとうございました。
以上

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