A選手のケース(8/24 ご質問の回答)

●結論

A選手については、現状維持でOKだと思います。
A選手の性格も、サッカーとの向き合い方も、仲間や指導者との関わり方も、申し分ないです。
また、指導者の方の選手への理解度や、チーム全体から捉えた客観的評価(他の選手との兼ね合い)についても申し分ないと思います。
そのため、A選手の現状を維持しながら、活動の中でのA選手の『良い所』を見抜いてその都度伝えていき、A選手の『ストロングポイント』を少しづつ積み上げていく方法で指導をしていくのがよいのではと思います。
特に、A選手が2年と少々という短い期間でチームに溶け込み、周りの選手との関わり方を上手くやり抜いているところ、つまりは『チームに貢献してくれてありがとう』ということは強調して伝えられるといいのではと思いました。
A選手は2年と少々の活動歴とのことですが、その活動の中で「自己分析」をし、「自分の居場所」というものを見つけ、チームメイトに気を使いながら今の自分にできることのベストを尽くされているように見受けられます。
その結果が下記の(指導者の主訴の中の)発言に表れているとも捉えられますので、ここで指導者が「フル出場をしてみたらどうだろう?」ですとか「もっと自分を出してもいいんだよ」などとA選手の自我や自己主張を強くすることを強要してしまうのは逆効果(→現状を維持できなくなってしまう)のように思います。
なぜなら、A選手が自己分析や自己の客観視ができていて、なおかつ指導者との対話もよくできるし、質問には自分の考えで答えていますので、A選手が現状に困るようなことがあったら指導者に申し出があったり、行動に変えることができるのではと思います。
ただし、今のところはA選手の『本意』(特に困りごと)が見えてこないので、折り入ってA選手と対話ができる場面がある際には、「なにかサッカーで困っていることがある?」などと適度に伺ってみるといいかもしれません。
それと、A選手が現状のチームメイトの関係を考慮して現在のような思考と態度で活動をされているようにも思いますので、A選手がプレーをしづらかったり、居心地の悪い様子を見せることがないか、他の選手との関係も適度にチェックをされるといいかもしれませんね。
あとそれと、余談ですが、指導者の方がA選手との関わりで「なにが難しいのか?」(主訴、困りごと)がはっきりわかると、指導者の方の課題がよりはっきり見えてくるのではと思います。

【ケース内容】

◉A選手

学年:小5
サッカー経験:2年と少し
他の選手との関係:良好
その他、チーム内での人間関係:

・チームでは、大人との会話が多い
・みんなで集まって雑談をしている時も、思ったことは近くにいる大人に伝えることが多い
・決して仲が悪いということはなく、好きな話題は友達同士でもすることはある

◉選手本人の主訴:不明

◉指導者の評価:

・机に噛り付いていたような子
・能力が高いとは言えない
・選手本人も自覚があり、自信がもてないよう

◉指導者の対応内容:

・他の選手と比較はしていない
・その選手の過去と比較し、上達していることは伝えている

◉指導者の方の主訴:

・試合の際、途中交代をさせなかったら「なんで交代しないの?」といった表情で指導者を見ていることが多い
・指導者が『後から交代したかったの?』と訊ねると、「自分より良い選手がいるから」とのこと
・その選手の良いところは伝えているが、難しい

※指導者の方がなにに『難しい』と感じているのか?

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